2021年7月28日水曜日

今治城の石のふしぎ ①


こんにちは。

連日、真夏日が続いています。

体調管理には十分気を付けて、夏を乗り切ってください🍉🍉🍉

 

ところで、約3か月前の426日付のブログで、今治城の石垣の不思議(ふしぎ)なことをお伝えしました。

https://imabarijo.blogspot.com/2021/04/blog-post_26.html


何が不思議なのかというと、

「今治城の石垣には、貝殻(かいがら)が付いている石がたくさんある」こと。

その理由は「今治城のある場所と、お城の造られ方に関係があると思われます」

そして「・・・後日、改めて考えたいと思います!」

としておりましたが、「後日」が大変長くなってしまいました。。。

誠に申し訳ございませんm(__)m

 

大変遅くなったのですが、石垣に貝殻が付いている理由を考えたいと思います。

 

まず、貝殻が付いている石そのもののことです。

これらの石は、ほぼ同じ種類のようです。

 



表面が白色や灰色になっている石ですが、これは石灰岩(せっかいがん)です。

より詳しく言うと「結晶質(けっしょうしつ)石灰岩」という種類で、その通称は、皆さんも聞いたことがあると思います。


「大理石(だいりせき)」です。


建築や彫刻の用材に使われる「大理石」が、今治城では石垣に使われているのです。

 


キレイですよね。



一方で、これらの石を離れて、石垣全体を見てみましょう。


城の表門である鉄御門(くろがねごもん)の前の石垣

 

白や灰色の石とともに、薄いオレンジ色や、薄いピンク色がかった石が目立ちます。


鉄御門を通った後の、右側の石垣


近づいてみると、表面に黒い胡麻(ごま)のような斑点(はんてん)があります。





これらは花崗岩(かこうがん)という種類の石です。

 

白色の大理石がどうしても目立ってしまいますが、

この花崗岩が今治城の石垣で一番多く、全体の約90%も占めています。

その次に多いのが、大理石なのです。

 

なぜ、今治城の石垣の石は、花崗岩が大半を占めていて、2番目に多いのが大理石なのでしょうか?

その大理石に、なぜ貝殻が付いているものが多いのでしょうか?

 

長くなりますので、この続きは、

次の機会のブログでお話ししたいと思います。

 

学芸員F

2021年7月7日水曜日

祝!展示が完成しました ~蔵出し!浮世絵の世界~

こんにちは。ヒヨッコ学芸員のMです🐥


今日は新しい展示のことを、興奮さめやらぬなかお話ししたいと思います!


この興奮のもとは何を隠そう今回の展示、ヒヨッコM初担当展示だからです(*ノωノ)

5月からコツコツ準備を続けてきましたが、昨日やっと展示替えを終えることができました。



展示替えの様子はこんな感じ



まずは、これまで展示していた資料を片付けて……


           ↑先輩学芸員Fさん。掛け軸をくるくる


               ↑甲冑も慎重にお片付け





片づけが終わったら、展示ケース内のお掃除。



                 ↑コロコロ……




そして、展示台などを設置します。


             ↑先輩Fさん「ここくらいかな……」


         ↑美しい展示空間を目指して、ミリ単位で調整します。






展示台の設置完了!







最後に展示する資料を出します。


                ↑作業も佳境を迎え、
             心なしかヨレっとなっているM(;^ω^)



そして……









できあがり!!!!わーい!



このようにして完成した展示……


天守4階常設展示テーマ展示コーナー 蔵出し!浮世絵の世界 (←クリックでリンク)」として、華やかな浮世絵14点を公開しています!


ヒヨッコM渾身の浮世絵展示となりました!!

ぜひぜひ、今治城天守4階にお立ち寄りくださいませ( ˘ω˘)♡

M


2021年7月1日木曜日

自然科学館の展示【竹と笹】ー120年ぶりの開花ー

こんにちは。


あっという間に6月が過ぎ、今日から7月ですね。

蒸し暑い梅雨が明けると、子どもたちは楽しい夏休み。大人たちはコロナ禍のことを考えると悩ましいことでしょう。


厳しい報道が多いなか、先月末に明るいニュースが。上野動物園で6月23日、ジャイアントパンダの双子の赤ちゃんが生まれました。動物園によりますと、2頭とも健康状態は良好。お母さんの「シンシン」も25日朝、出産後初めてエサを食べたということです。






画像提供・東京動物園協会


パンダといえば竹や笹の葉を食べているイメージがありますが、もともとパンダはクマの仲間で雑食性。なので、動物の肉や果物も食べていました。


大昔、他の肉食動物と獲物を争わなくてすむように山岳地帯の奥地(中国西部の四川省など)へ移動し、そこに生えている笹の葉や竹を食べるようになりました。


ちなみに上野動物園では、笹や竹を主食としながら、トウモロコシの粉を蒸かして作ったお団子やミルクがゆ、くだものやサツマイモ、春には園内で採れたタケノコを与えているそうです。


さて、4月から少しずつリニューアルされている今治城の自然科学館。紹介したい展示物がたくさんあるのですが、まずは【竹と笹】の展示をご覧ください。
















展示ケースの横には、竹の生態についての説明が5枚あります。



残りの4枚を自然科学館で実際に読んでいただけると、「へぇ~ なるほど! そうだったのかぁ…」と、竹や笹が身近に感じられるかもしれません。



竹は花を咲かせたあと、集団で枯れて消えてしまうという不思議な生態をもっています。一気に咲いて一気に枯れるので、昔の人は不気味に感じ、不吉なことが起こる前兆だと感じたようです。


1970年代半ばの中国で、花を咲かせた竹が枯れてしまったとき、多くの野生パンダが食糧不足で餓死しました。

詳しくは、WWFジャパン(世界自然保護基金)のホームページをご覧ください。こちらをクリックすると開きます。



 5月30日(日)に放送された 📺NHK・Eテレ サイエンスZERO「120年に一度のチャンス!竹一斉開花の謎に迫る」ではまだ詳しく解明されていない竹の生態あれこれを、科学者たちが追いかけました。


このような生態のため、ほとんどの人が竹の花を見たことがなく、咲くことも知らないのではないでしょうか。


こちらが自然科学館に展示されている「竹の花」です。





今治城にいらしたときは、天守2階の自然科学館にもお立ち寄りください。楽しく興味深い展示物を用意して、お待ちしております。