2021年12月29日水曜日

年末のご挨拶

今治城は、昨日で年内の開館を終えました。

今日から3日間(12月29日~31日)は年末恒例の休館日になっています。ご注意ください。


今年も一年間、大変お世話になりました。

来年もよろしくお願いいたします。

元旦から開館です!

プレゼント企画や、新商品(新「御城印」)も用意しています。

※点数限定あり。ご注意ください。

詳しくは今治城公式Twitterをチェック


それでは、よいお年をお迎えください!!


2021年12月14日火曜日

見どころ紹介 企画展「お侍さん」④ 仕事のために持っていたモノ

こんにちは。

 

現在開催中の企画展「江戸時代 のぞいてみよう! お侍さんの仕事」は、今週末の1219日(日)が最終日です。

(´;ω;`)ウッ…

見どころ紹介は、今回が最終回になります。

 

※前回までの見どころ紹介は以下をクリックしてください。

☞ 第1回 2つの甲冑(よろい)

☞ 第2回 武士の正装 裃(かみしも)

☞ 第3回 江戸での仕事場と住居

 

今回は、お侍さん(武士)が働いている時に、実際に持っていたモノ、使用していたモノをご紹介します。




武士は、本来は軍事を担当する身分の人たちでした。

しかし江戸時代では、社会の統治も武士が担当し、結果的に戦いがほとんど無い時代だったので、武士の仕事は今の公務員のような行政職が主になりました。

 

そんな仕事内容をほうふつとさせるものを展示しています。

 

参勤交代で、将軍のおひざ元の江戸(現在の東京)に滞在していた武士が持っていたメモ帳です。



資料名:政務関係留帳


大きさは、縦6.5㎝、横16.5㎝でとても小さいです。

常に携帯し、メモしたり、内容を確認したりしていたのでしょうか。

「江戸城に藩主(自分の殿様)が出仕する時に足袋を着用させてほしいお願いをした」など、当時のしきたりがうかがえる興味深い内容が書かれています。

 

 

また、当時の武士の役職の一つに、記録を取ったり文書の下書きをする「書役(かきやく)」や、清書をする「右筆(ゆうひつ)」がありました。

 

右筆の人たちが使っていた参考書の一つも展示しています。


資料名:武鑑


これは「武鑑(ぶかん)」といって、大名や幕府の役人の名鑑です。

仕事上、必要な情報だったのでしょう。

 

そして、珍しいモノが今治藩士の家に伝わっていました。

 

資料名:徳川家茂御内書

江戸幕府の将軍だった第14代:徳川家茂(とくがわ いえもち)の文書の原本です。

ホンモノですΣ(・□・;)

立派な大きな紙に書かれています。

 

なぜ、一地方の普通の武士の家に、全国の武士の頂点に立つ将軍の文書が伝わったのでしょうか?

 

この文書は、将軍家茂から当時の今治藩主だった松平勝道(9代藩主)に宛てて、献上された衣服の返礼を述べたものです。

そして、この文書を伝えた藩士は、当時、今治藩で「書役」の職を勤めていました。

 

おそらくこの文書は、幕府と今治藩との間でやり取りされた公式のものとして取り扱われ、「書役」の一員だった藩士が、仕事上の都合で手元に置いていて、そのまま、その藩士の家に保管されたままになったのかもしれません。

 

「書役」という役職だった故に起こった、面白い伝来の仕方だと思われます。


以上、全4回にわたって企画展「江戸時代 のぞいてみよう! お侍さんの仕事」の見どころを紹介してきました。

関心を持っていただけましたら幸いです。

 


会期は残り僅かですが、ぜひご来城、ご観覧ください。

よろしくお願いいたします。

 

学芸員T.F

2021年12月1日水曜日

「池田家文書目録」公開によせて

この度、今治城ホームページの「おしらせ」欄にて、今治城の収蔵資料の一部である「池田家文書」の目録を公開しました。

みなさまにご活用いただけますと幸いです。


【お知らせ】池田家文書目録を公開しました。


 今治城天守内で開催中の令和3年度 企画展「新収蔵品展―令和2年度収蔵資料―」の開催にあたって、次のようなメッセージを発信しました。


“博物館”としての今治城では、今治城の紹介とともに、地元地域のものを中心として、歴史や文化、自然や美術に至るまで、幅広い分野の資料=文化財を収集し、守り、伝えています。


 今治城は、今治市域の歴史や文化を伝える地域博物館としての役割をになっており、これまで地域にまつわる数多くの資料を収集してきました。

 収集した資料は、展示や図録の発行などを通してみなさまに紹介しています。しかし、これらの方法で紹介できる収蔵品の数には限界があります。


 そこで今回、これまでの事業では紹介しきれていなかった収蔵品の情報公開のため、目録を公開することとなりました。


 目録公開の第一弾は、いち早く公開の準備を整えることのできた「池田家文書目録」です。池田家文書は、旧今治藩士池田家に伝来した古文書・記録類188点(162件)で、知行宛行状などの近世文書のほか、書簡や地券を中心とした明治期の文書も含まれています。


延享元年(1744)9月27日付「松平定郷知行宛行状」(池田家文書160)
今治藩5代藩主松平定郷が家臣の池田善右衛門に宛てた知行宛行状。父弥次右衛門の家督相続として知行(給料)50石を与える旨が記されており、日付の下に定郷の名前と花押(サイン)が据えられている。


 「池田家文書目録」をはじめの一歩として、今後は全ての所蔵品目録の公開を目指していきます。また、今回はホームページの「おしらせ」欄を間借りしての公開ですが、利用者のみなさんにとってより使いやすくするため、専用ページの開設や外部データベースの活用も検討しています。


 なお、池田家文書の一部は、企画展「江戸時代 のぞいてみよう! お侍さんの仕事」(会期:2021年10月2日~12月19日)で展示しています。ぜひご来館ください。

企画展のご案内→ 企画展「江戸時代 のぞいてみよう! お侍さんの仕事」


学芸員M🐥