2025年8月13日水曜日

館蔵品展「生誕100年 水墨画家 松本奉山」(山里櫓)

こんにちは😊

 

現在、山里櫓では、館蔵品展「生誕100年 水墨画家 松本奉山」を開催しています🎨展覧会の紹介ページはこちら

松本奉山(まつもと ほうざん:生没年19252010年)氏は、愛媛県今治市出身の水墨画家です。今年生誕100年を迎えました。

筆を執る松本奉山氏

当時とても少なかった女性の画家であり、伝統的な水墨画ではなく、新しく前衛的な水墨画を描き、独自の世界を作り上げました。

そして、世界をまたにかけて活躍しました。

数多くの作品がある中で、故郷である今治市には約600点の作品を寄贈され、ここ今治城で保管されています。

本展では、これらの中から、寄贈以来ほとんど公開されていなかった作品を選抜しました。







繊細な絵から大胆な絵まで、個性的な作品の数々をご堪能ください。

また会場内では、松本奉山氏が各地で行っていた水墨画のデモンストレーションの様子を映像で紹介しています。

会期は831日までです(会期中無休)。

天守1階観覧券売場で、観覧券をお買い求めの上、ご来場ください。

 

また、松本奉山氏に関わる最新の書籍・図録『世界を描く水墨画家 松本奉山 静寂と躍動の筆勢』(大阪大学総合学術博物館叢書232025年)を天守1階観覧券売場で販売中です。価格は2,970円(税込)です。

 

『世界を描く水墨画家 松本奉山 静寂と躍動の筆勢』
表紙の画像


なお、今治城から近い今治市河野美術館でも、奉山氏の様々な作品を展示する「生誕100年 松本奉山展」を開催しています(本日から開催。8月31日まで)。

展覧会の紹介ページはこちら

 

また同美術館では、824日(日)1330分~1500分に、講演会「今治出身の異色の女性水墨画家 松本奉山を知る」が開催されます。

奉山氏をとてもよく知る、神戸市立小磯記念美術館・神戸ゆかりの美術館の館長である岡 泰正氏が講師をされます。

参加無料・予約不要です(ただし、定員60名で当日先着順)。

講演会の紹介ページはこちら

 

河野美術館での催しにも、ぜひ足をお運びください。

 

松本奉山さんを知り、その絵画や生き方、考え方に触れ、何かを感じ取っていただく機会になれば幸いです。


学芸員F

2025年8月11日月曜日

第3回今治城写真コンテスト 入賞作品展(御金櫓)

こんにちは😊

暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか🍉


現在、御金櫓では、第3回今治城写真コンテスト入賞作品展が開催されています📷


この展覧会は、2024年3月1日から2025年1月17日までを応募期間としていた「第3回今治城写真コンテスト」の入賞作品を展示しています。

応募総数は121点(応募者57名)で、その中から、最優秀賞1点、優秀賞2点、特別賞5点、入選7点の計15点が入賞作品として選ばれました。

入賞作品(展示作品)の一覧はこちら



今治城を題材とした個性的な作品が並んでいます。


お祭りや、希少な自然現象など、特別な瞬間の写真があります。


また、日常の風景なのですが、この角度、この切り口で撮影すると、こんな写真が撮れるのか・・・という写真もあります。



ちなみに最優秀賞の作品は、スマートフォンで撮影したものと聞いております。

写真を身近に感じる事ができます。


この展覧会は巡回展で、御金櫓での会期は11月2日(日)までです。

天守1階の観覧券売場で、観覧券をお買い求めの上、ご来場ください。


その後は、以下の会場で行います。

会場:伊予銀行今治支店内 ギャラリー呑吐樋(どんどび)

   (愛媛県今治市常磐町4丁目2-1

会期:令和7114日(火)~1128日(金)900分~1500

   ※土・日・祝日観覧不可

   ※観覧無料


この機会に、ぜひご観覧ください。


学芸員F

2024年12月19日木曜日

企画展(秋季)「近所にあるかも!?今治城より古い城」もうすぐ最終日!!

こんにちは。

現在開催中の企画展「近所にあるかも!?今治城より古い城」は、12月22日(日)が最終日です。


会場の風景

昔(特に江戸時代より前の時代)、私たちの周りにはたくさんのお城がありました。

この今治城がある地域でも、例外ではありません。

ただ現在では、城跡にすぐに気づいたり、発見したりすることはとても難しくなっています。今から約400年前の江戸時代以降、これらの城は使われることなく、山野に埋もれてしまっているからです。後世の開発によって無くなってしまったものもあります。

逆に、今治地域唯一の城として、今治城だけが江戸時代に存続しました。その城跡は現在でもはっきりと形に残り、分かりやすい史跡になっています。


画像
床に貼っている大きな航空写真


城跡の場所にマークと数字をポイント。横の表で城跡の名称がわかる。

床面には、現在の今治市域にあったと考えられている城跡を、航空写真の上にポイントしたシートを貼り付けています。

上を歩いても大丈夫なようにしています。

過去に行われた愛媛県の調査では、現在の今治市域には200超!!の城があったとされています(典拠『愛媛県中世城館跡分布調査報告書』愛媛県教育委員会、1987年)。


なぜ、こんなにたくさんの城があったのでしょうか?

どんな城があったのでしょうか?


展示の様子 1


展示の様子 2


“海賊の城” 能島城跡から出土したモノ


今治地域での調査成果を基にして、「城とは何か?」「城の歴史」に迫ります。

この機会に、ぜひご観覧ください!!


学芸員F

2024年11月22日金曜日

多言語表記の展示パネルを設置

 こんにちは😊

 近年、海外から多くの来館者が来てくださるようになり、職員一同大変嬉しく思っています。

そこで今月(11月)から、今治城内の展示ブースの掲示を多言語表記のものに取り換える作業を行ないました。

 日本語の展示タイトルを、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語という4つの言語にそれぞれ訳しています。

天守閣に続いて、自然科学館も、入口案内及び全ての展示ケースの表記を多言語表記のものと交換しました。また、パネル・デザインも、より明るいものにしてみました。

 たくさんの方に読んでいただけることを願っています。


パネルの取り換え作業

新しく取り換えたパネルの例


2024年6月29日土曜日

今治城にある灯籠や狛犬

 

こんにちは😊


梅雨真っ只中で、湿った天候が続いています。

体調には十分気を付けてお過ごしください。


ところで、今治城跡の登城ルートの両脇には、石造りの灯籠(とうろう)が建っています。


それも2基、3基と。

 




これまでに今治城に来られた方は、気づいた方も居られると思います。

覚えていなくても、必ず視野には入っていたはずです。そのくらい自然な感じで傍に立っています。

 

でも、よくよく考えると、城の登城ルートに灯籠があるのは不思議ではありませんか?

他のお城にはあるのでしょうか?

 

灯籠は、機能としては明かりを取るためのものですが、お寺や神社によく建っています。

日本には古代に仏教の伝来とともに中国から渡来し、当初はお寺の建物の荘厳や装飾用に用いられ、その後、神社や民間にも普及したそうです(日本民具学会編『日本民具辞典』1997年より)。

 

今治城にある灯籠も、実は神社のものです。

というのも、現在の今治城内には吹揚(ふきあげ)神社があります。

城内にある吹揚神社

吹揚神社は江戸時代に今治の城下町や周辺にあった4つの神社を合祀させて、廃城後の明治5年(1872)に城内本丸跡に建立されたものです。


今治城の登城ルートは、実は吹揚神社の参道にもなっています。

吹揚神社はたくさんの神社が集まっているため、元々の神社にあった灯籠などが集まられ、配置されたのだと思われます。

そのため、灯籠も複数ありますし、その他の石造物もたくさんあります。

 

石造物には、建てた人(建立資金を出し、奉納した人)、造った人(石工)の名前や建立した年月を刻んでいることがよくあります。

 

天守の横にある狛犬

例えば、現在の天守の横に狛犬(こまいぬ)がいます。

狛犬はまさに神社のものですよね。

その台座には「魚問屋」「魚仲買(売?)」と刻まれています。

魚を扱う商人達が奉納したようです。

向かって右側の狛犬

「魚問屋」※横書きは右から左へ書いている。

向かって左側の狛犬

「魚仲買(売?)」

建立時期は「安政六年」=1859年で、江戸時代末期の幕末の頃です。

「安政六未」=安政6年・ひつじ年=1859年

魚を扱う商人たちが建立。

江戸時代から港町だった今治らしい石造物です。

 

学芸員F

 

2024年5月17日金曜日

企画展「くずし字を読みたい!―江戸時代の村と古文書―」もうすぐ最終日!!

こんにちは。

現在開催中の企画展は、5月19日(日)が最終日です。

古文書とくずし字に少しでも親しんでもらいたい!!との思いで企画しています。


最初に、江戸時代の代官所で使われていた帳面の入れ物を展示。

これくらいの容器が必要なほどの量の文書を、当時の仕事で使っていたことがわかります。


縦55㎝、幅143㎝、高さ59㎝の木箱です


江戸時代は「文字社会」でした。

今も昔も社会にとって大事な「納税」について、江戸時代の納税にあたる年貢の納入に関わる文書を紹介。

村の年貢の内訳を記した文書


また、「現在の戸籍を移す」行為の江戸時代版である「宗門請手形」という古文書も。

結婚のために移住する時に作成された「宗門請手形」


古文書の紹介に続いては、実際にくずし字を読んでみよう!!ということで、


古文書の文字の解読クイズや、源氏物語の和歌のひらがなを当てる「ひらがなパズル」があります。



パズルの一面にはくずし字の画像。その裏にはくずし字の元の字(ひらがな・漢字)。


くずし字を解読するための便利なアイテムとして、くずし字の辞典の使い方を解説。

赤い箱の辞書は“くずし字”の世界で最も使用されているといってよい「くずし字用例辞典」


最後に、くずし字や古文書学習の先輩たちから、勉強法やメッセージなどを寄せていただいた内容を掲示。くずし字に取り組む上でのヒントが詰まっています。

こちらでご紹介しています。クリックしてください↓

今治城 スタッフブログ: 噛めば噛むほど味わい深い?!古文書・くずし字アンケート結果


古文書を解読できると、昔の生活の様子、人の感性をたくさん知ることができて、とても面白いです。

そして、今の生活や社会を顧みることにもつながってきます。

ぜひ、古文書・くずし字の世界の扉を叩いてみてください!!


学芸員F

2024年4月6日土曜日

ふきあげ姫をよろしくお願いします。

 この度、今治城のオリジナルキャラクターが誕生しました。


その名も「ふきあげ姫」





天守を眺められる吹揚神社(今治城本丸跡)の境内に住みついた梅の妖精で、


かんざしは今治城を築城した藤堂高虎出世の白餅、


梅の髪飾りと着物は今治のお殿様久松松平家の家紋「星梅鉢紋」がモチーフの今治城主リスペクトなコーデできめています。






好きなものは、今治城とお団子、高虎の兜をかぶったバリィさんで、


イヨノ助侍がお友達です。




チャームポイントはお団子のようにもちもちでまあるいほっぺ。


可愛らしい「ふきあげ姫」をこれからどうぞよろしくお願いします。




ふきあげ姫の誕生を記念して今治城オリジナルシールを販売中です。


高虎バリィさん、イヨノ助侍、ふきあげ姫の3種のシールが1シートになっています。






お気に入りのモノに貼るもよし、そのまま飾るもよし、のデザインです。


せひふきあげ姫シールをお迎えしてくださいね。


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