2018年9月19日水曜日

職場体験学習

皆さん、こんにちは。


昨日(18日)の事ですが、今治城に日吉中学校2年生の生徒さん2名が職場体験学習の一環で今治城を訪れました。この職場体験学習というのは、中高生の方が地域の会社や役所等を訪問して仕事内容を見学したり、実際に仕事の一部を体験するというものです。今回、今治城を訪れてくれた2名の生徒さんは、市内の河野美術館とセットで職場体験を行っているとの事でした。




天守2階にある今治城の絵図の前で、当時の今治城の城域について説明。


午前中は、今治城内の各所を見学。自然科学館や鉄御門、そして普段は入れない犬走も見学しました。



天守3階で、藤堂高虎関係の史料を見学。




鉄御門の内部から外の枡形虎口を見学。



ツメレンゲ等、石垣に生えている貴重な植物を見学。


特に犬走では、石垣に生えているツメレンゲや、堀の中に生息している魚やカニといった動植物を間近に見る事が出来、貴重な体験になったのではないでしょうか。
城内の見学終了後、今度は実際に今治城の職員の仕事の一部も体験してもらいました。




今治城内の案内にチャレンジ!


その内容は、普段受付で入場券を購入して頂いたお客様に対して行っている今治城内の各施設(天守・御金櫓・山里櫓・鉄御門)の案内です。生徒さんはもちろん緊張していましたが、それまでに学芸員の案内で回った各櫓の事を思い出しながらしっかり説明出来ていました。
ここで午前中のプログラムは終了。


昼休みを挟んで午後からは、学芸員の仕事の1つである史料調査の一部を体験してもらいました。



学芸員のアドバイスを受けながら、古文書の大きさを計測します。



古文書等を対象とした史料調査で大事な項目の1つに、史料そのものの大きさを計測する事が挙げられます。今回、実際に今治城が所蔵している古文書を用いて、生徒さん達にはその大きさを計測してもらいました。




いずれも100年以上前の古文書を前にして緊張気味でしたが、しっかりと大きさを計測し、記録する事が出来ました。
そして今回の職場体験学習はここで終了。

        
初めての体験の連続で、生徒さん達は緊張する事も多かったと思いますが、今回の体験を通じて今治城やここでの仕事内容に対する理解が少しでも深まってもらえたら嬉しいですね。

             

                                                    今治城 伊津見         

2018年8月12日日曜日

平成30年度学芸員実習

皆さん、こんにちは。

今治城ではほぼ毎年、学芸員資格の取得を目指す大学生の方を受け入れて実習を行っておりまして、今年も7月30日~8月3日の5日間の日程で、1人の学生さんを対象に実習を行いました。

今年も学芸員が日々取り扱う古文書や掛軸の取り扱い方や刀剣の手入れの仕方の実践、或いは天守や各櫓の展示コーナーを見学を通じて良かった点や課題点を学生さんの視点で見つけてもらい、学芸員と討議する等を体験してもらいました。

他にも今年は初の試みとして、貴重な動植物が生息する今治城の犬走の見学も実習に組み込みました。


犬走から水中の魚を撮影。

そして、実習の最終目標は、学生さんに今治城が収蔵している史料群の中からジャンルを問わず1点を選んでもらい、天守4階に展示してもらう事。
古文書や刀剣の取扱い方を学びながら、同時に展示に向けての準備も進めていきました。
      


今回の実習で展示用として選ばれた
 今治市出身の画家・大智勝観の作品。

数多くある今治城の収蔵史料の中で、学生さんが選んだのは、明治時代から昭和時代にかけて活躍した地元今治出身の画家・大智勝観(1882~1958)の作品「竹に烏瓜」でした。

展示史料が決まると今度はその史料を解説するためのキャプション作りです。

         
作者の経歴等を書籍で調べながら、キャプションを作ります。
自分で調べていくという作業が大事です。

 
キャプション内の文章とデザインを何度も練り直しながら、少しずつ自分の納得のいくものを作り上げていきます。
     
完成したキャプション。


ケント紙で印刷したキャプションを今度はハレパネというポリスチレンの非常に細かい粒子を低発泡させたパネルに貼り付け、カッターでキャプションの大きさ(A4サイズ)に切り取ると完成です。

簡単に書いてますが、カッターでハレパネを切り取るのはなかなか難しく、学生さんも大苦戦…
それでも何度か経験する事でコツを掴めたようで、3回目の挑戦できれいなキャプションが完成しました。

そしていよいよ完成したキャプションを持って、天守4階の展示ケースへ。

           
バランスを考えながら史料の展示位置を決めます。

      
実習で学んだ事を活かしながら、慎重に作業を進めていきます。

今回の展示史料は掛軸でしたが、ケースの外から見た時のバランスやキャプションの置く位置等、1つ1つ慎重に考えながら、展示作業を進めていきました。

そして作業を開始してから約1時間近く経った後、ようやく展示が完成!

展示完了です!

当日は暑い中(ケースの中は特に…)の作業でしたが、学生さんもどうしたらお客様から見やすい展示になるかという点を意識しながら、何度も熱心に微修正を繰り返していました。

博物館・美術館に行くと多くの史料が展示されていますが、どれも見る側からの視点を意識したものになっています。
史料やキャプションの位置・そのキャプションの字の大きさ、デザイン、文章のわかりやすさ等々…
それらを総合的に考えながらの展示作業が、学芸員には必要になってくるのです。

非常に短い実習期間でしたが、学生さんにとっては未知の体験の連続だったかと思います。
博物館・美術館での仕事内容やその苦労が少しでも理解して頂けると嬉しいですね。

なお、今回の実習で展示した大智勝観作「竹に烏瓜」は、現在天守4階にて展示中です。
学生さんの観点から選ばれた作品とキャプションをぜひ御覧ください。

                    学芸員 伊津見

2018年7月22日日曜日

企画展 「“ぼくがうまれた音” 智内兄助絵本原画展」


こんにちは。

暑い日が続いておりますが、今治城は元気に開館しています!!

そんな今治城で、新しい企画展
「“ぼくがうまれた音” 智内兄助絵本原画展」が始まりました。

会場内の様子

 智内兄助(ちない きょうすけ)さんは、1948年に地元今治市に生まれ、現在、世界的に活躍されている画家です。

鮮やかな色彩で幽玄な世界を創り上げる独特の画風で知られています。

この絵本「ぼくがうまれた音」は、智内さんと同郷の同級生で、これまた世界的に活躍されているトランペット奏者の近藤等則(こんどう としのり)さんとの合作です。

絵本「ぼくがうまれた音」

近藤さんの生い立ちについて、近藤さん自身が文で表現し、智内さんが絵を描きました。

この絵本の原画を今治城が所蔵しており、今回、その全点を展示しております。

原画一点一点に、近藤さんの文章も添えています。

展示の様子 1


展示の様子 2

原画は、智内さんらしい、とても鮮やかで独特の描写です。
そして、型に囚われない自由があります。

何と、本物の自転車を組み込んだ絵があります。必見です。

そして、近藤さんは海の近くで生まれ育ったため、海にまつわる絵が多く、子供の頃の懐かしい情景が浮かびます。

展示の様子 3

この絵本の原画は、絵本の国際賞である「プラティスラヴァ世界絵本原画展」(スロバキア文化省主催)において、2009年にBIB PLAQUE賞【金牌賞】を受賞しました。

この企画展では、その時の賞状と記念品(金牌など)も、特別に智内さんが貸してくださり、展示しております。

2009年「プラティスラヴァ世界絵本原画展」(スロバキア文化省主催)
で受賞したBIB PLAQUE賞【金牌賞】の賞状と記念品


企画展「“ぼくが生まれた音” 智内兄助絵本原画展」は、1021日(日)まで、無休で開催しています。

今治市が生んだ国際的なアーティストの共作をぜひご鑑賞ください!!

学芸員 藤本


2018年7月18日水曜日

西日本豪雨後の今治城の状況について

皆さん、こんにちは。


先週、西日本の広い範囲が豪雨に見舞われ、各地で大きな被害が発生しました。被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。

今回の豪雨では、今治市も例外ではなく、大三島や伯方島といった島しょ部では、土砂災害が発生しております。
普段滅多な事では通行止めにならないしまなみ海道(西瀬戸自動車道)も一時通行止めとなり、広島側との行き来が出来なくなった程でした。

現在、一般のお客様から今治城の現状について問い合わせを頂く事が多いのですが、幸いにも今治城では、石垣が崩れたり、建物が損傷するといった被害は受けておりません。
普段通り営業しておりますので、安心してお越し頂ければと思います。

とはいえ、ここしばらくは全国的に猛暑が続きそうですね。
旅行も含め、屋外に出られる際にはくれぐれも熱中症等にはお気をつけください。









                    今治城 伊津見

2018年6月11日月曜日

ギャラリートーク(2回目) 企画展「見つけたよ!!昔の出来事 昔の暮らし」


こんにちは。

数日前の投稿では「梅雨なのに空梅雨です」と発信したのですが、この頃は本格的な梅雨の天候になっており、しとしと雨が降ることも多くなっています。

そんな天候の中ですが、昨日[610日]の日曜日に、現在開催中の企画展「見つけたよ!!昔の出来事 昔の暮らし」の学芸員によるギャラリートークを行いました。




午前と午後に2回。
学芸員が、展示の見所などを解説。




午後には強い雨が降るあいにくの天候の中、関心を持っていただいたお客様に来ていただけました。

その中には、本展に資料を出展していただいた所蔵者の方の姿も。

ありがとうございました。


地域に残され、現在まで伝わった興味深い資料の紹介を通じて、地域の身近な歴史や、そんな地域に関心と愛着を持っていただけるような企画になればと思っています。

※企画展の内容は、今治城ホームページの展覧会情報をご覧ください。

そんな本展も、会期は今週末の617日(日)までになっています。

この機会に、ぜひご観覧ください!

学芸員 藤本

2018年6月3日日曜日

大型絵図の撮影


こんにちは。

今治地方は数日前に梅雨入りしたのですが、いわゆる「空(から)梅雨」状態で、初夏の清々しい天候が続いています。

先日、今治城の一室で、今治城が所管する大型の絵図の撮影を行いました。

撮影の様子


絵図は、大型のものになると、持ち運びや開閉をすることが難しく、調査や展示をするにも簡単ではありません。

そこで、このような絵図を高精細度の画質で撮影することにしました。

この撮影で得られる画像データを使うことにより、画面上で微細なところまで観察でき、かつ、実物とそん色ない精度で実物大で復元できるようになります。


業者さんが専用の装置を持ち込み、2日間で計12点の絵図を撮影しました。



専用装置の精度もさることながら、
業者のスタッフさんが撮影の際に、絵図の些細な折れや皺(しわ)を丁寧に直したり、





ライトの当て具合によって、絵図の折れや皺をできる限り目立たなくしたりという、


光の当て方の工夫として、部屋の側壁を使って光を反射させています。

 細かいところまで気を配った作業を行っていたことが印象的でした。このような作業の積み重ねによって、良いデータが得られるのだと思いました。

この撮影によって得られる画像データは、今後の調査や展示で活かしていきます。

直近では、今年の秋(106日~122日)に開催予定の今治城の絵図をテーマにした特別展で、展示や図録に活用する予定です。

ご期待ください。

学芸員 藤本


2018年5月13日日曜日

ギャラリートーク 企画展「見つけたよ!!昔の出来事 昔の暮らし」


こんにちは。

本日は、「国際博物館の日(5月18日)」を記念した「いまばりミュージアムデー」として、今治城をはじめとして、市内の有料文化施設の観覧料が無料になりました。

今治城には、雨が降り続くあいにくのお天気にも関わらず、多くの方にお越しいただけました。

そして、この「無料デー」に花を添えるように、現在開催中の企画展「見つけたよ!!昔の出来事 昔の暮らし」の学芸員によるギャラリートークを、午前と午後に計2回開催しました。



初代内閣総理大臣の伊藤博文の位牌や、昭和の大横綱双葉山が奉納した相撲大会の優勝旗など、今治市内に伝わった昔の興味深い史料を幅広く集めたこの企画展。

その概要と、出展史料を順に解説していきました。




参加いただいたお客様は、熱心に展示をご覧になっていました。
どうもありがとうございました。



企画展のギャラリートークは、610日(日)にも、同じく午前1030分からと午後2時から、計2回行います。

ご参加をお待ちしています。

学芸員 藤本