2020年12月26日土曜日

2020(令和2)年 1月~12月の今治城

こんにちは。


 今年も残すところあと少しとなりました。

冬至のころは日没が早く、閉館するころ城内は真っ暗でした。今は少し日が長くなり、駐車場から見る今治城はこんなふうです。







この一年は、新型コロナの感染症拡大で日常が激変し、今までできていたあれこれが普段通りにできなくなった毎日でした。

たくさんのことを断念・自粛し、マスク・手洗い・ソーシャルディスタンスを実行し続けた一年でした。


12月12日の「漢字の日」に、この一年の世相を表す漢字【密】が選ばれ、14日京都市清水寺の本堂の舞台で同寺の森清範貫主が大きな和紙に力強く筆でお書きになりました。

森清範貫主は【密】という字をこのように話されました。「密は心のつながりも表す。新型コロナウイルスの感染拡大で国民や医療従事者が苦労している中、日本中が努力してこの状況に向かっているのをありがたいと思いながら書いた」と。


では今治城のこの1年を、写真で振り返らせていただきます。


元旦の早朝。



今治城絵図を見ながら城の周りを歩きました。




桜が咲き始めても、吹揚公園をお散歩する人はいません。





本格的に新型コロナウイルスの感染拡大予防を注意喚起し始めました。






城内の桜が満開になっても見物客はいません。




4月は団体観光客の予約はゼロ。


この日から5月11日まで臨時休館しました。





今治城は新型コロナウイルスの感染拡大予防対策として、天守と3つの櫓入口に手指の消毒液を用意しています。

この頃はマスクや消毒液が入手困難で、ドラッグストアに早朝から並んだこともありました。数量限定なのでお店をはしごして探し歩いたり、あちこちに電話をかけてマスクと消毒液をかき集めました。






臨時休館中は、開館中にできないあれこれ(じっくり時間をかけて取り組みたい仕事や整理整頓・掃除など)を毎日コツコツいたしました。





臨時休館中の城内は人影もなく静まり返っていたので、普段はじゃまにならぬよう過ごしている猫(城内にあるお団子屋さんのハルちゃん)が、吹揚公園を対角線に走ったり、藤堂高虎像の周りでゴロンと寝転んでいました。






スタッフが新型コロナウイルスに日常をかき乱され、毎年と違う業務に翻弄されておりましても、お城の桜は淡々と季節に合った姿に。





吹揚神社のお祭りも、氏子さんだけでひっそりと。





アカテガニが昨年と同じ頃に現れて、ホッとしたのを思い出します。






この頃には外出するときにマスクを着用するのが習慣になり、スーパーやコンビニもマスクなしでは入店できない雰囲気に。

今はマスクの予備を、職場や車・持ち歩くカバンに入れています。








先が見えない新型コロナウイルスの感染拡大に、今治城は消毒液を余裕を持って準備しました。

ドラッグストアを何軒めぐっても、マスクや消毒液が手に入らなかったことは忘れられません。




寒いくらい風通りの良い天守ですが、観覧者が密にならないように気を付けています。





今治城の天守は、コロナ禍のなか復興40周年を迎えました。

お祝いの気持ちを込めて、期間限定の御城印を作りました。









今治城AR完成‼

日本遺産フェスティバルに間に合いました。








7月22日に始まったGOTOトラベルキャンペーン。

11月は団体観光客の予約がたくさんありました。








スタッフは、昨年の11月より多い観覧者の対応にてんてこまい
お城のツメレンゲは、いつもの時季につものように咲きました。



終わりが見えないこの状況に、ウツウツとした気持ちになる時もありますが、新型コロナウイルスの流行によって起きた少しの良いことだけを考えて、希望を持って過ごしたく思います。


禍福は糾える縄の如し

(カフクはアザナえるナワのゴトし)


わざわいが福になり、福がわざわいのもとになったりして、この世の幸不幸は、なわをより合わせたように表裏をなすものであるという意味。




よい年をお迎え下さい。A



2020年12月22日火曜日

スタッフのユニフォームが法被(はっぴ)の季節になりました。

こんにちは。


冬至の日に木星と土星が400年ぶりに大接近しました。


誠文堂新光社発行『星のきほん』より



日の入り1時間後、南西の空に木星と土星が接近して見えるはずでしたが、21日の今治の空は雲があって何も見えず残念でした。

翌日22日に二階の窓から双眼鏡で見ると、テレビで見たのとと同じように木星と土星が並んで輝いていました。天体望遠鏡じゃなくても見えるのですね。

テレビのニュースで見た土星はイラストの通りの輪っかがあり、その姿はとても魅惑的💗天文学者になったきっかけが〈土星の輪っか〉という人がいるのもわかる気がします。



誠文堂新光社『星のきほん』より



さて、この季節になると今治城のスタッフは、おそろいの法被(はっぴ)を着て仕事をします。










背中には初代城主藤堂高虎の家紋【藤堂蔦】

前には久松松平の家紋【星梅鉢紋】が染められています。

法被(はっぴ)を着ていると、たくさんの人の中にいても一目でお城のスタッフだとわかります。





10月まではこんなふうにバリィさんのポロシャツを着ていました。









白と紺以外の色は、個々のスタッフの好みです。







来年の夏もバリィさんポロシャツで、みなさまのご来城をお待ちしております。

その時はマスクなしでお会いできますように。


2020年12月18日金曜日

番組撮影のため鉄御門(くろがねごもん)を閉門しました。

こんにちは。


底冷えの寒さですね。お城の堀も寒々しい色合いです。

今朝は鳥たちが、犬走りに並んでたたずんでいました。




さて、先日の12月15日、番組撮影のために鉄御門を閉門しました。

普段の鉄御門は、大門扉の戸当り石と門を南京錠で施錠して閉まらないようにしています。この門は、吹揚神社や公園の入口なので、人も車も24時間出入り可能です。





天守の入口の扉は、毎日朝一番に出勤した職員が開けて、夕方5時に閉めます。




鉄御門は大きく重い門なので、閉門は、たくさんの人が集まって作業をしました。

まず脇戸を閉めます。




脇戸の段差に設置していた板のスロープものけました。





2枚の扉の間に閂(かんぬき)を渡して閉門の作業が完了しました。





※ 日本遺産・村上海賊の公式ツイッターでも、鉄御門の閉門を「めったに見られない貴重な光景」としてつぶやいていただけました。

https://twitter.com/jh_KAIZOKU



閉門した鉄御門を土橋側の武具櫓から見下ろすと、こんなふうに見えます。






実際に閉門した鉄御門の前に立つと、攻め込んで来た敵兵も恐れをなして戦意を失う、完全防備な門だと感じられました。

おまけに鉄御門前方の枡形虎口の石垣に大きな勘兵衛石がはめ込まれていますので、ますます堅い守りの城であることが伝わると思われます。



せっかくですので鉄御門の再建工事のようすを、平成20年3月に今治城築城・開町四百年祭実行委員会が発行した『今治城鉄御門再建整備事業報告書』に掲載された写真で紹介させてください。











勘兵衛石が枡形正面に据え置かれる工事の様子。




今治城にいらっしゃることがありましたら、敵兵や城主や家臣になったつもりで観覧していただけると、また違った味わいがあって面白いかもしれません。



2020年12月15日火曜日

今治城が切手になりました。

こんにちは。


今年も年賀状の受付が始まりましたね。




12月25日(金)までに投函すれば、元旦に届くようです。昔はプリントゴッコや芋版などを使って年賀状を作るのが年中行事になっている家庭もありました。


今はSNS(ソーシャルネットワークサービスの略称)を使って個人間のコミュニケーション活動が盛んなので、紙の年賀状を出す習慣が昔ほどではなくなりつつあります。

※代表的なSNSは、LINE・YouTube・Twitter・Facebook・Instagramなどがあります。


SNSがなかったころ、直接会えない人との通信手段は電話と手紙・ハガキでした。切手を使う機会が今より多かったせいか、記念切手を収集することを楽しみにしている人もいました。


記念切手といえば、9月24日に販売が開始されたオリジナルフレーム切手「日本遺産・村上海賊と巡る 瀬戸内しまなみ海道」で今治城が切手になりました。





堀の水面に石垣と櫓と天守が映り、日本三大海城の今治城の魅力が伝わる記念切手になっています。左下に今治市村上海賊ミュージアムキャラクターの「かげちかくん」がいます。

※「かげちかくん」は実在した村上景親の幼少期をモチーフにしたキャラクター。手には〝やがらもがら〟を持ち、伝来する景親ゆかりのカブトなどを身に着けています。


バラエティー豊かな題材を描いた記念切手。便りを出さなくても、眺めるだけでも楽しいかもしれません。


2020年12月11日金曜日

今治城のARが愛媛新聞に掲載されました。

こんにちは。


二十四節気の大雪を迎えました。

一か月前に立冬を迎えたころは冬とは名ばかり…と思っていましたのに、いつの間にか冬本番の寒さです。

今朝お城のスタッフが鬼柚子(おにゆず)を持って来てくれました。裏山で採ったそうです。





柚子と名前が付いていますが文旦の仲間で、
鬼が邪気を払うことから鬼柚子をお正月に飾ったり、実の大きさから「実入りが大きい」⇨千客万来の縁起物としてお店に飾ったりするそうです。

もちろん食べることもできるのですが、他の柑橘系のように果肉を楽しむ果物ではなく、ピールやマーマレードなど香りを楽しむ料理に向いています。


さて、10月から運用している今治城のARが
11月13日の愛媛新聞に掲載されました。








新聞の説明にもありますように、画面の下のある現代・城域・江戸に家紋の藤堂蔦を動かして、三種類の風景を楽しむことができます。





ARを試された観覧者の感想なかに、城内をお侍さんが歩いてたらもっと楽しいね(*'▽')というのがありました。たしかに城内のあちこちにお侍さんが歩いていたら江戸時代の今治城がイメージしやすくなりますね。


今治城ARに人は登場していませんが、城内を観覧するみなさんの頭の中に江戸時代のお侍さんが歩く様子などを想像していただけると、より一層お城を深く味わえるかもしれません。