2025年9月22日月曜日

今治城では甲冑をたくさん展示しています。

こんにちは。

 

今治城の天守の2階展示室には、江戸時代の甲冑を並べて展示しています。

現在は、総勢18領です。

※領(りょう)は甲冑を数える単位です。

 


これほどの数の甲冑を一ヶ所に展示しているところは、全国のお城でもほとんど無いようです。

一つだけでもカッコ良いですが、並んだ状態で見ると、なお壮観です。





一言で甲冑といっても、いくつかのタイプがあります。

時代によってタイプが変わることが多いのですが、今治城に展示している甲冑は「当世具足(とうせいぐそく)」というもので、江戸時代より少し前の戦国時代から登場した甲冑です。

当世具足については、甲冑の横にパネルを置いて解説しています。




ところで、展示している甲冑は、黒系が多いと思いませんか?




これは、ここの展示に限らず、甲冑全般に当てはまることではないかと思います。

また、朱色(赤系)の甲冑もたまに見かけます。

 

その理由は、当時の甲冑の塗料と素材によると思われます。

主な甲冑の素材は鉄と革がありますが、その塗料として使われているのは主に漆(うるし)です。漆の色は黒が主流で、次いで朱がポピュラーになっています。

 

また、鉄の地の色は基本ダーク系なので、そのままでも暗い色になります。




このような素材・塗料による理由とは別に、黒は威圧感を与える色彩なので好まれたのかもしれません。

黒い甲冑は強そうに見えますね。

 

ご観覧の際は、甲冑の放つ力強さを感じ取ってくだされば幸いです。

 

学芸員F