こんにちは。
12月に入り、冷え込みが厳しくなりました。
暦通りに冬が到来した模様です。
近年、晩秋から初冬にかけての時期に、今治城で実施されている大事な作業があります。
石垣の隙間に生えた雑草・雑木の刈り取りです。
この時期は大多数の植物の成長が止まり、葉が枯れているため、作業がし易いのです。
今年は、先週初めから今日まで、天候の良い日を選んで実施されました。
作業を行ってくれるのは、地元の越智今治森林組合さんです。
高さ約10~13メートルの石垣を、はしごやロープを頼りにして巧みに移動し、草木を刈っていきます。
作業は全て手作業で、草木の根は残して刈っていきます。
植物の根は、成長すると石垣を内側から圧迫するので、成長を止める必要があるのですが、一方で、根を完全に除いてしまうと、そのために出来た隙間のせいで石垣の安定が損なわれる可能性があります。
微妙なバランスを考えながら、作業が進められました。
刈り取りの前後で、石垣はさっぱり綺麗になりました。
写真の手前側が刈った後。奥が刈る前の状態。 |
刈り取り前 |
冬は、今治城では一年で一番、石垣がきれいに見える季節になります。
ぜひ、きれいな石垣を見に、今治城へお越しください。
最後に、毎年刈り取り作業を行って石垣の保全にご協力いただいている越智今治森林組合の皆様に厚く御礼申し上げます。
学芸員 藤本