2014年12月2日火曜日

展示替えで登場した城絵図

 こんにちは。

 昨日から急に寒くなりました。本格的な冬がやってきたようです。

 この気候の変わり目とタイミングを合わすかのように?一昨日(1130日)いっぱいで、天守2階で開催していた特別展「築城の名手 藤堂高虎の城めぐり」が終了しました。
 ご観覧いただき、誠にありがとうございました。

 そして昨日、展示替えを行い、今治城の絵図3点とビデオコーナーを設置しました(特別展期間中、お休みしていたモノです)。

 昨日から展示し始めた絵図3点は、それぞれ面白い特徴があります。

伊予今治城之図(右側)と今治城絵図


 まず、上の写真の右側の絵図「伊予今治城之図」は、1685年に作成されました。今治城が出来て80年後の頃です。
 この絵図は今治城で修理したいところを赤字で記したものです。石垣が崩れたとか、堀に泥が溜まった、など。その数は多く、当時は多くの箇所が傷んでいたのでしょうか?

 次に、左側の絵図「今治城絵図」は1779年作成です。
 この絵図では、城内に住んでいた今治藩士の名前と屋敷の大きさが正確に描かれています。
藩士の総数は約300名。当時の今治藩士の誰が、どこに住んでいたのかがわかる、大変貴重なものです。

旧今治城郭全図

 
 3点目は「旧今治城郭全図」で、およそ1870年代に元今治藩士によって描かれたものです。
 当時は既に城の建物は全て壊されていましたが、その直前の姿を回想して描いています。
 回想して描いているので正確では無い表現もあるのですが、建物の立体的な形や、城の周りを囲む土手に松林が繁っている様子など、他の絵図には無い情報がたくさん盛り込まれています。

 このように、3点の絵図それぞれに面白い情報が詰まっています。
 
 寒くなり、外に出掛けるのがおっくうな季節になりましたが、ぜひ足を運んでいただき、ご鑑賞いただければ幸いです。