2019年10月28日月曜日

お城の松と神社の松(今治城と出雲大社)


こんにちは。


はや、10月下旬になりました。


旧暦の10月(現在の11月)は、日本中の神様が、普段いらっしゃる場所を留守にして島根県の出雲地方に集まるので、10月は「神無月」(かんなづき)と呼ばれています。

一方で、神々をお迎えする出雲地方では、旧暦10月を「神在月」(かみありづき)と呼びます。集まった神さまたちは、人々の“しあわせ”の御縁を結ぶ会議をするそうです。




東邦出版『日本の365日を愛おしむ』より



なかでも有名なのは出雲大社。







鳥居の右側に見える木の札に、11月にある神迎祭と神在祭のことが記されています。

出雲大社に祀(まつ)られている大国主大神様は、目に見えないご縁を結ぶ神さまとして有名なので、このお祭りには日本全国から多くの人々が集まるそうです。

出雲大社には、両脇に松の木が群生する参道があります。





山陰中央新報社『出雲の國・縁たび』より


















この松並木は江戸時代の初めに、松江藩主の夫人が祈願成就の御礼に1000本の松を奉納されたものと伝えられています。

松は神社だけでなく、たくさんのお城にもありますよね。 今治城の犬走りにも松の木があります。

















潮が満ちている時に写真を撮ったので、堀の水位が上がり犬走りも浸かりかけています。しばらくすると犬走りは完全に水没し、松の根元は海水につかってしまいます。今治城の松は、海水につかっても枯れることなく元気にしています。









今治城の犬走りを石垣の上から見る


静岡県の海岸にある「三保の松原」のように、全国の海岸にも松林がありますが、これらは自然に生えたのではなく、人の手によって植林され、手間をかけて大切に育てられたのだそうです。

砂浜に松林を作るのは大変な仕事です。

松が乾燥や塩に強いとはいえ、砂地は小さな苗木にとって過酷な環境。苗木のまわりに防風垣を作り、砂の表面にわらを敷き、遠くから水を運んで撒(ま)いたりして、大事に育てるそうです。


このように見どころがたくさんある今治城にいらっしゃいませんか。お待ちしております。