こんにちは。
冬の間、温かい地方で過ごしていたツバメが海を渡って日本にやって来る時季になりました。
ツバメは農作物に付く虫を食べてくれるので、昔から歓迎され益鳥として大事にされてきました。〈ツバメが巣をかけると、その家に幸運が訪れる〉という言い伝えもあり、軒先に巣作り用の棚を準備しているお宅を見かけます。
4月上旬、天守にツバメが迷い込みました。天守の2階~5階は博物館なので展示物があります。ツバメが城内を飛ぶのは困るので、侵入できぬよう階段上り口の天井近くにビニールを垂らしました。
ツバメのおかげか、全国に緊急事態宣言が発令された4月17日、今治城に明るいニュースが届きました。
愛媛新聞の右下をご覧ください。
今治城の初代城主・藤堂高虎の寄進状複製が完成したことを、愛媛新聞に掲載していただけたのです。
高虎は寄進状を送る前年の1600年、徳川側に付いた関ヶ原合戦の功績で領地を加増され、今治地域の新領主になりました。
この寄進状は、慶長6(1601)年5月11日付で、藤堂高虎が大山祇神社に対し、神社祭礼米を毎年20俵寄進する代わりに、武運長久(ブウンチョウキュウ)祈願を命じています。
※武運=戦闘や戦場での幸運がいつまでも続くこと。
※長久=終わることなくいつまでも続くこと。
ここで大山祇神社のことを少し。
大山祇神社は、今治と尾道を結ぶ〔しまなみ海道〕の中ほどの大三島にあり、海上安全の守護神・日本総鎮守ととして尊敬されています。全国に約1万社あまりの分社を持ち、古代より多くの信仰を集めてきました。
境内中央には樹齢約2600年の神木(大楠)が鎮座しています。
昨年6月中旬に出川哲朗氏と反町隆史氏らが出演するバラエティ番組で紹介されたので、ご覧になった方もいらっしゃるとおもいます。
令和元年11月22日・大山祇神社社務所発行 |
宝物館には国宝・重要文化財に指定された鎧・兜・刀剣類などが数多く収蔵・展示されています。
【藤堂高虎の寄進状】は、平成28(2016)年度 今治城特別展・高虎と高吉〈今治に伝わる藤堂氏二代の足跡〉の図録8ページで紹介しているように、
国指定重要文化財(重文)の一部になっている大変貴重なもので、大山祇神社にて原則非公開で保存されています。今治地域における高虎の活動がわかる最古の史料でもあります。
このような〈藤堂高虎の寄進状〉を「レプリカによって、多くの人に親しんでもらおう」という人々の想いが実を結び、この春、複製を完成させることができました。
ご協力してくださった方々に、この場をお借りして心から感謝いたします。
ただいま城内に常設展示をする準備を進めていますので、
もうしばらくお待ちください。
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