2017年11月23日木曜日

特別展展示説明会(2回目)を行いました

皆さん、こんにちは。
当ブログとしては珍しく2日続けての連続投稿となります。

本日は、現在山里櫓にて開催中の特別展「今治藩の家臣団」の第2回目となる展示説明会を1400から開催しました。







今回は郷土史に興味をお持ちの地元の方や、遠く名古屋(!)からこの展示説明会の事を聞いて駆けつけてくださった旧家臣の末裔の方等、総勢20名以上のお客様が参加してくださり、これまで開催した説明会の中では非常に盛況なものとなりました。

参加者の中には今回史料を出陳してくださった旧家臣の末裔の方もおられ、主催者としてもゆかりの史料を説明する事が出来て感慨深かったです。

そして本特別展の期間ですが、12月3日(日)までとなっております。
興味はあるけどまだ見ていないという方、お早めにお越しください!



                    今治城 伊津見

2017年11月22日水曜日

石垣の雑木伐採が行われました

皆さん、こんにちは。

ここ数日今治は急速に冷え込み、底冷えする日々が続いております。
冬の到来が間近に迫っている感じがしますが、皆様体調などお変わりございませんでしょうか。

今治城では、11月7日から石垣に生えている雑木を伐採する作業が行われていましたが、先日20日に終了し、きれいな石垣が姿を現しました。

伐採前の石垣。
雑木がかなり生えているのがよくわかります。

石垣は屋外にあるため、石と石の隙間に植物の種子が入り込んでそこから雑木が生えてきます。そうなると伸びた根が成長する毎に石を圧迫する事となり、石垣に悪影響が出てしまいます。

そこで、今治城では越智今治森林組合さんのご協力を得て、定期的に石垣に生えた雑木を伐採して頂いているのです。


伐採後の石垣。
雑木がなくなりきれいな石垣が姿を現しました。


伐採風景。
上から垂らしたロープを駆使してどんどん伐採していきます。

伐採前の武具櫓下の石垣。

伐採後の武具櫓下の石垣。


伐採前の天守真下の石垣。

伐採後の天守真下の石垣。
土塀を覆っていた植物も取り払われすっきりしました。

野面積の石垣は、海水を引き込んだ堀と並んで今治城を代表する大切な文化財ですが、実はその石垣を守るためにこのような大がかりな伐採作業が定期的に行われているわけです。


これからの季節は寒さが厳しくなっていきますが、雑木が生えていないきれいな石垣は冬の今治城の見どころの1つといえるでしょう。
さっぱりした石垣を見にぜひ皆様今治城にお越しください。

最後に毎年伐採作業を通して石垣の保全に貢献して頂いている越智今治森林組合の皆様に厚く御礼申し上げます。

                   今治城 伊津見

2017年11月6日月曜日

藩主と家臣、お互いの末裔が対面

皆さん、こんにちは。

天候に恵まれた先週の三連休でしたが、皆様はいかが過ごされましたでしょうか。
中には国内各地に旅行で出かけた方も多いかと思います。
今治城も多くのお客様にお越し頂いたおかげで、非常に賑わっておりました。

さて、そんな賑わった三連休の今治城ですが、現在山里櫓にて開催中の特別展「今治藩の家臣団」に関連して、11月3日(金)に今治藩主久松松平家の末裔で次期当主(15代目)に当たる久松定順さんが来今され、学芸員の案内で久松家ゆかりの地を訪問されたり、かつての家臣の末裔の方達と再会するという感慨深い出来事がありました。

まず最初に訪れたのが、今治市山方町にある臨済宗妙心寺派の海禅寺さんです。

ここは、初代藩主松平定房の位牌を祀っており、その関係で江戸時代は藩主の菩提寺である松源院(現在は廃寺)と並ぶ格式を誇ったお寺です。

久松家からするとまさにご先祖様を祀っているお寺ですので、今回その関係者として久方振りに正式訪問され、初代定房公の位牌にお参りされました。

なお、今回の特別展では海禅寺さんからも所蔵されている今治藩家臣の池内家文書の一部を出陳して頂いています。


最後の藩主松平勝吉公が揮毫した「海禅寺」の額の拓本をバックに記念撮影。

左が久松さん。右が海禅寺の薬師寺住職。

次に今回の特別展でも、甲冑をはじめ多くの史料を出陳して頂いた今治藩家臣の末裔である鈴木さん宅を訪れ、挨拶をされました。

          
今治藩家臣の末裔である鈴木さんご一家と記念撮影

江戸時代、藩主が家臣の家を訪問する事を歴史的用語で「御成」と言いますが、この日の鈴木さん宅訪問はまさに現代の「御成」だったと言えるでしょう。
(実際に江戸時代、今治藩主が家老の家を訪問した記録は『今治拾遺』にもよく見られます。)
お互い初対面であったにも関わらず、学芸員も交えて今治城の天守が再建された頃の話等で大いに盛り上がり、最後は打ち解けられていたのが印象的でした。


一方、この日の午後には同じく今回の特別展で幕末期の当主の写真等、いくつかの史料を出陳して頂いた今治藩家臣の末裔である堀洋一さんとそのご家族が特別展の見学のため、遠く千葉県からお越しになられました。

事前に学芸員から堀さんに久松さんも当日来今されるという事を伝えていましたので、久松さんと堀さんもお互いの先祖ゆかりの地である今治城にて対面を果たされました。
もしかしたらこの両者の対面は、1871(明治4)年の廃藩置県以来になるかもしれません…

この後、久松さんと堀さんご一家は特別展の会場である山里櫓に移動されましたが、旧藩主と旧家臣それぞれの末裔が一緒に展示を見学するというのはこれまで見られなかった光景だと思います。展示解説をした学芸員である私も何か不思議な感じがしました

学芸員の解説を聞きながら展示を見学される堀さんご一家と久松さん。



会場の山里櫓にて新聞社の取材を受ける久松さん(左)と
堀さん(右)

          
最後は会場の前で記念撮影をしました。

今治藩の家臣団は、その多くが今治の外から集まって来た武士達で構成されており、藩主と家臣という君臣関係がここ今治を舞台に230年間続いてきました。

明治の廃藩置県によって旧藩主は明治政府の命令で東京へ移住する一方、旧家臣達の多くは県外に転出する等四散していき、今治藩の家臣団は歴史の彼方に消えていきます。
しかし、それから146年という時を経て、今治城で今治藩の家臣団をテーマとした特別展を開催した事により、先月の講演会や今回のように藩主と家臣それぞれの末裔同士の対面が実現出来たのは、非常に喜ばしい事と思います。

この日は久松さんをはじめ家臣の末裔の方々も縁の不思議さを実感されたのではないでしょうか。

最後にこの企画の実現にご協力頂きました家臣の末裔の方々等、関係者の皆様には厚く御礼申し上げます。

                              
                              学芸員 伊津見

2017年11月2日木曜日

特別展展示説明会を行いました

皆さん、こんにちは。

これまで何度かこのブログでも取り上げておりますが、現在今治城では特別展「今治藩の家臣団」を開催しております。

少し前になりますが、10月29日(日)1400から会場である山里櫓において学芸員による展示解説会を行いました。





今回の特別展では、キャプションや図録に展示史料に関する説明を書いてはおりますが、ページの都合で泣く泣く省いた箇所もあります。
そうした表に出せなかった話を中心にして展示史料の説明を行いました。

展示説明会は、11月23日(木・祝)にも再度開催する予定でおりますので、今回参加出来なかった方、また、ご興味のある方はぜひお越しください。(予約不要)


                    今治城 学芸員
                      伊津見