2018年12月30日日曜日

「あかりARTプロジェクト」と年末年始オールナイトライトアップ


今年もいよいよあと2日となりました。

今治城では、本日(1230日)から新年1月3日まで、毎夜午後5時から明朝6時までのオールナイトで、竹で作られた「竹明かり」が灯っています。



場所は、今治城の正面入り口。水堀を横切り、城内(吹揚公園)へ入る土橋の両側です。



幻想的な光景。



やわらかな光に癒されます。



この竹明かりは、「第1回 いまばり あかりARTプロジェクト」(主催/公益社団法人 今治地方観光協会)として、市内の放置竹林に生えていた竹を利用したものです。

放置竹林の問題と自然との共存に関心を持ってもらうとともに、市街地の活性化、観光スポットの創出のために実施されています。

⇒「第1回 いまばり あかりARTプロジェクト」の詳細はこちら




そして同時に、今治城も今日から年始まで、オールナイトでライトアップしています(日没30分後から)。






今治城がオールナイトでライトアップされるのは、一年でこの年末年始のみです。

地元の皆さま、地元に帰省された皆さま、観光客の皆さまには、ぜひこの機会に、今治城での光の演出をご堪能いただければと思います。



今年も大変お世話になりました。
来年も引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

みなさま、良いお年をお迎えください。



2018年12月25日火曜日

城内の公園に木製椅子が設置されました。


こんにちは。

本日、城内の公園に木製の長椅子が設置されました。



「企業の森づくり」という取り組みにおいて、愛媛県と今治市と企業の三者が協定を結び、森林整備や体験学習を行っています。

そのうち、太陽石油(株)さんの活動「今治市 太陽が育む森」と、生活協同組合コープえひめさんの活動「コープえひめ未来の森」のそれぞれの体験学習で、参加者のみなさんが、間伐材を用いた木製の椅子を組み立てました。

そのうちの4脚が今治城に設置されたのです。

生活協同組合コープえひめの活動
「コープえひめ 未来の森」のロゴマーク

太陽石油(株)の活動
「今治市 太陽が育む森」のロゴマーク

より良い自然環境を作る素晴らしい活動の成果の一部が、今治城に設置されたことを大変嬉しく思います。
どうもありがとうございました。

設置場所は、観覧券売場がある天守1階の出入り口の前と、城内の公園の出入り口にある鉄御門の下です。


天守1階の出入り口前に設置した長椅子(2脚)

しっかりした造りです。


鉄御門(城内から)

鉄御門の下に設置した長椅子(2脚)
雨の心配もありません。

 
入館前の待っている時や、城内の見学や公園の散策の休憩時などに、ぜひご利用ください。

学芸員 藤本

2018年12月21日金曜日

今年も石垣の草木の刈り取りが行なわれました。


こんにちは。

12月に入り、冷え込みが厳しくなりました。
暦通りに冬が到来した模様です。

近年、晩秋から初冬にかけての時期に、今治城で実施されている大事な作業があります。

石垣の隙間に生えた雑草・雑木の刈り取りです。

この時期は大多数の植物の成長が止まり、葉が枯れているため、作業がし易いのです。

今年は、先週初めから今日まで、天候の良い日を選んで実施されました。

作業を行ってくれるのは、地元の越智今治森林組合さんです。



高さ約1013メートルの石垣を、はしごやロープを頼りにして巧みに移動し、草木を刈っていきます。





作業は全て手作業で、草木の根は残して刈っていきます。

植物の根は、成長すると石垣を内側から圧迫するので、成長を止める必要があるのですが、一方で、根を完全に除いてしまうと、そのために出来た隙間のせいで石垣の安定が損なわれる可能性があります。

微妙なバランスを考えながら、作業が進められました。

刈り取りの前後で、石垣はさっぱり綺麗になりました。

写真の手前側が刈った後。奥が刈る前の状態。

刈り取り前

 
刈り取り後

冬は、今治城では一年で一番、石垣がきれいに見える季節になります。

ぜひ、きれいな石垣を見に、今治城へお越しください。

最後に、毎年刈り取り作業を行って石垣の保全にご協力いただいている越智今治森林組合の皆様に厚く御礼申し上げます。

学芸員 藤本

2018年11月22日木曜日

城内公園の松の剪定が行なわれました。


こんにちは。

本日は朝から、今治城内の公園(吹揚公園)に大勢の植木職人さんが集まっていました。



今治造園建設業協会のみなさんによる、毎年恒例の、公園の松の剪定奉仕がおこなわれていました。





昭和55年(1980)に今治城の天守が復興再建されて以来、毎年実施されており、今回で39回目とのことです。
年末の時期に、新年を迎える準備のために行われており、今治城の年の瀬の風物詩になっています。



松の剪定は、樹形を整え景観をすっきりさせると共に、日当たりや風通しを良くすることにより、病害虫予防の効果もあるそうです。




今回は、公園広場に生えている松43本のうち、34本が剪定されました。

職人さんの丁寧な作業により、美しく整えられた松の数々。





職人のみなさま、お疲れさまでした。

徐々に新年の足音が聞こえてくるようです。


学芸員 藤本


2018年11月18日日曜日

特別展 学芸員による展示解説会(2回目)


こんにちは。

爽やかに晴れ上がった本日は、今治城内にある吹揚神社には、七五三のお参りでお子様を連れたご家族が大勢訪れ、大いに賑わっていました。

そのような中、開催中の特別展「よみがえる瀬戸内の名城 ―今治城絵図・古写真展―」の学芸員による展示解説会を行いました。




今回で2回目の展示解説会になります。




興味関心を持っていただいていた方々や、その時間に今治城を見学していた方々が大勢参加されました。
ありがとうございました。






特別展も、いよいよあと2週間になりました。

今治城の絵図や古写真がこれほどの規模(全39点)で一堂に展示されるのは、初めてのことです。

ぜひ、この機会にご観覧ください。

学芸員 藤本



2018年11月8日木曜日

特別展 学芸員による展示解説会(1回目)


こんにちは。

先月以来、秋らしい爽やかな天候が続いておりますが、如何お過ごしでしょうか。

「文化の秋」に相応しく、各地で様々な文化事業が行なわれていた114日(日)、今治城では、開催中の特別展「よみがえる瀬戸内の名城 —今治城絵図・古写真展―」について、学芸員による展示解説会を開催しました。




今回、展覧会を準備していて気づいたことは、現存する今治城の絵図は、みんなバラバラで違う内容が描かれているのではなくて、似た内容のものが多いこと。
そして、作成時期や目的に応じて、いくつかのグループに分けることができることです。

このような、今治城の絵図の特徴や、絵図が作成された目的の説明も交えて行いました。




ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

展示解説会はもう1回あります。次回は1118日(日)14時から(約40分間)です。

また、特別展は122日(日)まで、無休で開催しています。

この機会に、ぜひ今治城にお越しください。

学芸員 藤本

2018年11月3日土曜日

今治藩ゆかりの史跡⑤~大浜八幡大神社~

皆さん、こんにちは。

昨年12月からスタートし、今年1月以降長らく更新が中断していた今治藩ゆかりの史跡を紹介するシリーズですが、今回よりまた再開したいと思います。

今回取り上げますのは、今治市の北部、来島海峡に近い大浜地区にある大浜八幡大神社です。


神社の拝殿です。

創建された年は不明ですが、古代からこの地に鎮座している神社であり、小千命(おちのみこと)を祭神としています。

この小千命は、越智姓の元となった神様とされていまして、神社境内から少し離れたところには「越智氏族発祥之地」の碑が建てられています。

全国の「越智さん」の起源を示す「越智氏族発祥之地」の碑

大浜八幡大神社は、当初は「大濱宮」と称していたそうですが、859(貞観元)年に、大分の宇佐八幡宮から八幡神を勧請して以降は、現在の社名に改めました。
その由緒から伊予国守護の河野氏や、近隣の来島を拠点としていた来島村上氏といった、地域の有力者から代々崇敬を集め、庇護を受けてきています。


江戸時代に入り今治藩が成立すると、大浜八幡大神社は越智郡の総氏神として地域から厚い崇敬を受け、歴代今治藩主やその家族も度々参詣しています。

また、旧暦8月15日(現10月第2日曜日)に行われる大祭は、江戸時代においては今治地方最大の祭りで、神社から繰り出される神輿が城下町だけでなく、今治城内まで入り込んでいました。

現在でも参道入口に立つ大鳥居や、城下町の商人が寄進した狛犬・灯篭といった石造物からも、大浜八幡大神社がいかに地域の人々から厚い崇敬を受けていたかが窺えます。


参道入口に立つ大鳥居


境内の様子


城下町の商人・黒部重好が奉納した石灯篭。
黒部家は、江戸時代の今治の豪商で、藩札の発行にも関与しました。


大浜八幡大神社前の大浜漁港から望む来島海峡。


              今治城学芸員
                        伊津見

2018年10月23日火曜日

今治城の堀で「海上自転車競走」が行なわれました!


こんにちは。

好天に恵まれた先の日曜日の21日(日)、今治城の堀で「海上自転車競走」が行なわれました!!

本来は930日(日)開催だったのですが、天候の影響で、この日に延期されていました。
晴れて良かった。




海上自転車競走とは、水上にボートのついた自転車を浮かべ、競走するものです。





今治市は瀬戸内海に面していて、造船業が盛んであるなど、海に関わりの深い地域であるとともに、海上を自転車や歩行で通行できるしまなみ海道があり、国内のみならず世界中のサイクリストから注目されています。

今治に関わりの深い「海」と「自転車」を合体させた素晴らしい企画です。

そして、なぜ会場が今治城の堀なのかというと、今治城も瀬戸内海に隣接し、堀には海水が流入している珍しい構造になっており、堀にはクロダイ(チヌ)やボラなどの海の魚が回遊しています。それ故に「海上」としています。

今治城の特徴もしっかり反映されています。

海上自転車競走は、毎年行われ、今年で4回目。
恒例行事になりつつあります。
レースには、愛媛県内外から約150名が参加されました。



みなさん、楽しく、熱く、レースを満喫されていました。







今治城の名物企画として、毎年琵琶湖で開催されている「鳥人間コンテスト」のように末永く続いてほしいと思います。
次年度の開催が楽しみです!!

学芸員 藤本



2018年10月17日水曜日

講演会「今治城下絵図をデジタルマップで読む」


こんにちは。
最近は秋らしい爽やかな気候で、晴天が続き、過ごしやすくなりました。

そのような好天のなか、先週末の13日(土)に、今治城内の会場にて、講演会「今治城下絵図をデジタルマップで読む」が開催されました。

最初に今治城学芸員による講演会の趣旨説明が行われました。


この催しは、現在開催中の特別展「よみがえる瀬戸内の名城 —今治城絵図・古写真展―」の関連企画です。
今治城の絵図について、もっと深く知り、色々学ぼうという意図で計画しました。

講師には、歴史地理学をご専門とされている徳島大学教授の平井松午(しょうご)先生に来ていただきました。


現在、天守3階に展示中の「安永八年今治城絵図」について説明される平井先生。


今治城の城下町絵図を、GIS(ジーアイエス。日本語では地理情報システムと訳されます)という手法を用いて、コンピューター内でデジタルマップ化し、現代の地図に重ね合わせるなどをして、分析されました。

GISを駆使する事で、江戸時代の今治城やその城下町の区画が

地図上に浮かび上がってきました!


現在の技術を用いると、絵図から色々な情報を瞬時に読み取ることができ、しかもわかりやすく表現することができるんだなあ、と感心しました。
聴講された皆さまも、新鮮な刺激を受けたのではないかと思います。

     
参加者の方も興味深々に聴かれていました。

 今回の成果をもとに、今治城や今治市街地の歴史の解明、および振興につなげていければと思います。

なお、参加者は定員いっぱいの60名でした。多くの方にご参加いただけました。
ありがとうございました。

                 今治城 藤本・伊津見