2019年11月28日木曜日

今治城のシルバーさん、新旧交代しました。


こんにちは。


11月も末になりました。
今年も残すところあと一ヶ月。

一年を振り返り、年を重ねるたびに一年が短く感じるようになったと思いませんか。子供のころの一年は、とても長かったように思います。






       


初めての場所へ行く時、行きより帰りの方が近く感じます。帰りは知った道だからか、時間も短く感じます。


年を重ねると一年が短く感じるのは、経験値が上がって知らないことに触れることが少なくなり、ワクワク・ドキドキすることが少なくなったからかもしれません。


普段の暮らしの中にちょっとした新しいことを取り入れると、少しは若返るかも、です。



今治城に新しい事を始めた人たちがいます。
10月1日からお城で働いているシルバーさんたちです。


お城では13人のシルバーさんたちが活躍されていて、9月末に3人の新旧交代がありました。新しいシルバーさんたちがお城で働くようになって2ヶ月。みなさん慣れたようすで働かれています。


どなたも、お城の仕事をするようになって生活がとても変わったそうです。出勤日はもちろん、休日の生活にも張りがあるようで。体調を整えたり、海外からの観覧者に対応できるように英会話も勉強されているそうです。


すこし前になるのですが2019年8月31日の愛媛新聞の今治市シルバー人材センター全面広告に、今治城のシルバーさん3人が登場しました。








せっかくですので、「新しい事を始めるのに年齢は関係ない!」と思わせてくれる【伊能忠敬】のことも『別冊太陽 伊能忠敬 歩いて日本地図をつっくた男』2018年5月24日平凡社発行を参考にしながら、紹介させてください。


彼は、49歳で天文学や暦学を学び始め、55歳で測量の旅へ出発しました。


52㌻より



距離の図り方は、69㎝を一歩の歩幅とし、何歩👣歩いたかで図りました。71歳になるまでの17年間、日本全国測量の旅は続き、計10回も出かけました。




104・105㌻より






伊能忠敬が今治を測量したのは1808年8月。四国沿岸の調査をしたのは第6次測量のときだったそうです。(『今治城の謎』発行ドメインしまなみ事務局より)



82㌻より


こうしてできあがった『大日本沿海輿地全図』(だいにほんえんかいよちぜんず)は、江戸幕府だけじゃなく明治政府も頼りにしました。




8・9㌻より





伊能忠敬の生涯を知ると、「その気になったときが初め時」と希望が持てます。



わたしたちも先輩たちを見習って、年を重ねたいものです。




 

2019年11月24日日曜日

今治城の堀の野鳥


こんにちは。


二十四節気の「小雪」を過ぎました。

寒さが増して冬が深まり、山では雪が降り始めるころ。
お布団の中にいても、冷え込んでいるのがわかります。
この頃、ときおり訪れる春のように暖かい日を「小春日和」といいます。


さて、職員は毎朝、山里櫓側の駐車場から堀を渡って天守に出勤します。







以前、堀の魚を紹介しましたが、今日は野鳥を紹介させてください。

望遠レンズではないので、大きく写ってませんが…
二羽の野鳥が堀を泳いでいるのがわかりますでしょうか。
水に潜っては3~5m先に浮き上がってきます。堀の魚をとって食べているようです。





別の野鳥もいます。白サギをひとまわり大きくしたような灰色の鳥が、じっとしているので近づいてみました。







足音が聞こえたのか、飛んで行ってしまいました。










今治城の自然科学館に展示している「今治城で見られる鳥たち」の写真を見ると、灰色の鳥は、アオサギのようです。







代表的な野鳥の種類は、

★留鳥(りゅうちょう)
 スズメやハトのように、年間を通して同じ縄張りで生きる。

★漂鳥(ひょうちょう)
 ウグイスやヒバリのように季節に合わせて国内を移動。

★夏鳥
 ツバメのように春に日本を訪れ、子育てをして秋に帰る。

★冬鳥
 ハクチョウのように日本にやってきて冬を過ごす。



よろしければ今治城の野鳥を見にいらっしゃいませんか。お待ちしております。







造園業者のみなさま、松のせん定✂ありがとうございました。


こんにちは。


11月20日、朝8時過ぎに出勤しますと、吹揚公園の広場に造園業者さんの車が勢ぞろいしていました。いつもは車が入れない広場なので、めったにない光景です。








庭師の方々が集まっていらっしゃいました。















これは毎年の恒例行事だそうです。1980年に天守が復興再建されてから40年、毎年この時期に今治造園建設業協会がボランティアで松をせん定してくださっています。


30人の庭師の方々による松の剪定(せんてい)が始まりました。








それぞれ手分けして、テキパキと作業を進めます。











脚立でとどかない高い所は、高所作業車が活躍します。







せん定バサミの音だけが聞こえます。











お城とはたらく車の組み合わせはめったにないので、もう一度ぱちり📷






天守の最上階から、作業の様子を撮りました。












手入れして頂いて、キレイなった松。





また一つ、新年を迎える準備ができました。
造園業者のみなさま、ありがとうございました。




2019年11月14日木曜日

今治城の鉄御門


こんにちは。


11月11日はひとり旅の日。

2018年に「クラブツーリズム・ひとり旅の日」の名称で、一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。

昔ひとり旅と言えば、ほとんどが男性。今は時代も変わり、女性のひとり旅も多くなってきました。日本の治安が良いからか、海外からの女性ひとり旅もたくさんいらっしゃいます。







お城や美術館・博物館など自分の趣味を楽しむ旅は、ひとり旅もいいかもしれません。誰にも遠慮せず、自分の好きなものを自分のペースでじっくりと鑑賞できますから。



もちろん、仲間との旅もいいですね。感動を分かち合えますし、何かあったとき助け合えます。とても心強く、安心です。



今治城にも、いろいろな形の旅を楽しむ方々が毎日たくさんいらっしゃいます。みなさん、それぞれ楽しそうです。




ちなみに、11月11日はポッキー&プリッツの日・豚まんの日でもあります。記念日にこじつけて、ひとり旅に出掛けてみたり、おやつを食べたりして、普段の何でもない一日を楽しまれてはいかがでしょう。



前回、勘兵衛石のことを書かせていただきましたので、今日は鉄御門のことを2008年今治城築城・開町四百年祭実行委員会発行『今治城鉄御門再建整備事業報告書』を参考にしながら、お伝えさせてください。










鉄御門の再建は、2007(平成19)年9月に完成しました。

古文書や古写真、古地図、発掘調査データを基礎資料として、可能な限り再現しました。






鉄御門の木部前面の全体に、厚み3㎜の鉄板を鋲で打ち付けています。

木の門に鉄板を打ち付けることで防御力がアップし、門としても格式が高まりました。







鉄御門は、吹揚神社や吹揚公園への入口なので24時間ずっと開いています。閉まった鉄御門を見るのは難しいです。







鉄御門をくぐり振り返ると大きな梁が見えます。







この大きな梁は、東北・岩手県二戸産の赤松(全長15m、根回り直径1m)。


この木が鉄御門に使われるまでの経緯を、今治城鉄御門再建整備事業報告書の54㌻~56㌻【冠木梁にかけた情熱・市民文芸雑誌「呑吐樋」11号より転載】を参考に、お伝えさせてください。


鉄御門再建に使用する木材探しを依頼された会社の社員さんは、5ヶ月間日本全国を走り回ったすえに、東北・岩手県二戸町で樹齢260年の巨松を見つけだしました。

しかし、山主は「この松は町の菩提樹だから」とか「わが家の宝物だから」と、なかなか売ってくれません。

何度も交渉した結果、「今治城の城門に使用するなら」と、手放してくれたそうです。

松は、長時間かけて伐採した後、トレーラーに積んで丸3日かけて今治に運ばれました。

その木が、この梁です。











このようにして再建された鉄御門の梁を見にいらっしゃいませんか。お待ちしております。















2019年11月13日水曜日

職場体験学習(愛媛県立今治東中等教育学校2年生のみなさん)


こんにちは。


本格的に寒くなったと思いましたら、二十四節気の「立冬」を過ぎていました。

暦の上では、立冬から立春の前日の節分までが冬なのだそうです。日中は暖かい日もありますが、朝晩は確実に冷え込みますので、防寒の準備をしたいものです。



メイツ出版『四季のプチかわイラストが描ける本』より



寒い季節だからこそ味わえる食べ物や







ウインタースポーツ観戦を楽しみながら、
暖かい春を待つことに🌸








さて、11月11日に愛媛県立今治東中等教育学校2年生の6人が職場体験に来てくれました。

先ずは今治城全体の見学です。

河野美術館と今治城の学芸員が付き添いお城を歩きました。天守を学芸員の説明を聴きながらの見学は、めったにない贅沢な体験で、我々も同行したいくらいでした。

次に、お城の管理事務所で職員の説明を聞いた後、お客さまに観覧券を売ります。








初めは緊張していましたが、回数を重ねるとリラックスして上手に対応できました。

昔の史料を調べています。






1日お疲れさまでした。








終わりの挨拶をした後、もう一度なぎなた(薙刀)が見たいと、女子学生二人が階段を駆け上がって行きました。









1日だけですが今治城の仕事を体験して、お城を身近に感じていただけたでしょうか。今日の体験が、いつの日にか役立つことがあれば、職員一同嬉しいです。

次は、お友達と一緒に遊びに来てください。中学生は観覧料無料なので、気軽にいらしてくださいね。






2019年11月11日月曜日

勘兵衛石(桜井小学校4年生のみなさん)


こんにちは。


寒くなりましたね。こんな日は、ゆっくりお風呂に入って体の芯まで温まりたいものです。

お風呂が日常になったのは、江戸時代に銭湯が登場してから。
その後、各家庭にお風呂が普及したことで、日本人は、ますますお風呂好きになったようです。

今日の疲れを明日に引きずらないためにも、湯舟に浸かってリラックスされてください。


マガジンハウス『ドクター・クロワッサン眠るコツ』55㌻より




11月5日桜井小学校4年生のみなさんが、今治城見学に来てくれました。
ボランティアガイドさんが勘兵衛石の説明をします。







勘兵衛石は、幅4.6m・高さ2.4m・奥行き0.6m・重さ16.5tもある巨石です。

名前の由来となった渡辺勘兵衛は、関ヶ原の戦いの後に藤堂高虎に仕えた人で、今治城の築城に大きく関与したと伝わっています。

勘兵衛石のように、城への登城者に威圧感を与え驚かせるために置かれた巨石を、鏡石といいます。鏡石は、堀に面した高い石垣には使わず、人々が通る大手門などの目につきやすい場所に置かれました。

クレーンなどの重機のない時代に、どのようにして石を運んだのでしょう。鏡石は、権力と財力を持つ城主だけが置くことができた石だったようですね。


今治城の勘兵衛石がどのようにして今の場所に置かれたかを『今治城鉄御門再建整備事業報告書』(発行 2008年3月 今治城築城・開町四百年祭実行委員会事務局)から紹介させてください。  



『今治城鉄御門再建整備事業報告書』70㌻より






『今治城鉄御門再建整備事業報告書』131㌻より






今治城鉄御門再建整備事業報告書』154㌻より



ボランティアガイドさんが、鉄御門を説明します。








鉄御門再建のことは、次回お伝えさせてください。

桜井小学校4年生のみなさんは、説明を受けながら天守に向かいます。






★案内板のむこうに見えるのは🚻トイレです。






今治城には四ヶ所トイレがあります。
★天守と★堀沿いの駐車場と★山里門から階段で下に降りてすこし歩いたところです。トイレの心配はなさらずに、安心して、いらしてください。


話がそれてしまいました。


10月から天守の入口にあった靴箱をのけて土足入場OKにしたので、桜井小学校4年生のみなさんは天守の入口で滞ることなくスムーズに階段を上っていきました。














桜井小学校4年生のみなさん、今治城を見学してくれてありがとうございました。

また、ご家族のみなさんといらしてください。職員一同お待ちしております。