2020年6月27日土曜日

今年もアカテガニの季節がやってきました。


こんにちは。


梅雨らしい天気ですね。

こんなふうに雨が続くと、城内のあちこちでアカテガニ(愛媛県準絶滅危惧種)を見ることができます。


















アカテガニは石垣の隙間や犬走りなどで生息しています。












今治城内にはアカテガニに限らず、希少な生き物が生息・生育しています。多肉植物のツメレンゲもその一つです。










天守2階から行ける自然科学館にある「今治城のいきもの」の展示を見ていただけると、多様な生き物が、なぜ今治城で生息しているのか理解できると思います。
















今治城の堀や石垣は、城の守りを固めるために工夫され築かれたものです。しかし偶然にも、その形が、多様な生き物が生息・生育するのに適していました。






今治城の自然環境は人工の自然でありながら
乱開発が及ばない環境と、適度な人の関与という絶妙なバランスの上に成りたっていて、生き物たちにとっては快適な環境のようです。










2020年6月22日月曜日

藤堂高虎の旗指物〔三つ丸餅〕


こんにちは。


今日もまた、観覧者からの質問がきっかけで天守の展示物を改めて知ることができたので、お伝えさせてください。


今回のご質問は、「高虎さんの旗はどこにありますか?」です。武士たちが戦う時に背中や陣地などではためかせている、あの旗のことですね。


『いくさ場の光景-大阪城天守閣収蔵戦国合戦図屏風展-』
2009年3月20日発行・大阪城天守閣編集


残念ながら、高虎公が使用した旗は今治城にありません。
高虎の旗印「三つ丸餅」は、天守3階に展示されている藤堂高虎の肖像画の背景に描かれています。










今治城が発行している『高虎と高吉』の2ページに掲載されているのが、これです。⇩






高虎公の旗印の由来は、2003年11月15日メイドインしまなみ事務所発行・土井中照氏著『今治城の謎』によりますと








若き高虎が、納得のいく主君を求めて放浪生活を送っていたとき戦国時代の常識では、主君を替えることは当たり前のことだったそうです。
持ち合わせがないのにもかかわらず、空腹のあまり三河宿(豊橋市)にあった餅屋で餅をたらふく食べました。主人にお金を持っていないことを正直に話しましたら、・・・・路銀(旅費)を与えてもらったそうです。

後に、22万石の大名に出世した高虎がこの餅屋の前を通ったとき、主人に金銀を手渡し、あの時の恩に感謝したと伝えられています。

高虎の旗指物は、紺色に白い丸〇が三つ縦にならんだ「三つ丸餅」。白餅をならべて〔城持ち〕になれるように、そして若い頃のひもじさを忘れないように、との思いがあったのかもしれません。




『今治城の謎』72ページの挿絵より


A


2020年6月16日火曜日

今治城の自然科学館にある【白鳥の剥製(ハクセイ)】


こんにちは。


今日、観覧者のお一人から「ナウマンゾウの化石はどこに展示してるの?」との質問をいただきました。




その方は、今治城に自然科学館があるのをご存知のようでした。お城の自然科学館では、このようにナウマンゾウの化石を展示しています。



見学中の岡山理科大学の教授と学生さん


前にもお伝えしましたが、天守(五層六階)の内部は歴史資料館になっており、天守の二階から行ける多聞櫓は自然科学館になっています。


自然科学館はナウマンゾウの化石の他に今治城の自然魚貝類の標本・鉱石・鳥類の剥製などが展示・解説されています。


入ってすぐの場所が今治城の自然】のコーナーになっていて、
★今治城のいきもの(魚・鳥・希少な動植物)
★貴重な自然環境
★石垣の特徴などを紹介しています。










こちらの魚たちは、本物の魚を特殊な技術で加工した〈魚の剥製〉です。魚たちの視線がこちらを向いているように感じるのは、気のせいでしょうか。





そして一番奥に白鳥の剥製(ハクセイ)が展示されているのですが、泣き出す子供がいるほどの迫力です。大人がみてもギョっとする大きさなので、小さな子供が下から見上げると恐ろしいのかもしれません。



見学中の岡山理科大学の教授と学生さん



この剥製は、1982(昭和57)年1月に今治城の堀で亡くなったコブハクチョウ。剥製にするのに2か月かかったそうです。

今現在、松山城の堀で飼育されている白鳥もコブハクチョウ。30年近く前は、今治城の堀でも松山城の堀のような風景が見られたのでしょう。


余談ですが、もっと昔は吹揚公園に小さな動物園があって、孔雀(クジャク)もいたんですよ。お猿さんもいて、エサ用に売っているビスケットをあげた覚えがあります。


今、お城の堀に白鳥はいませんが、いろいろな水鳥が水中にもぐって魚を獲ったりしています。人の少ない早朝なら、彼らの姿をゆっくり眺められるかもしれません。





2020年6月8日月曜日

今治城が漫画で紹介されている本『旅好き女子の城萌えバイブル』


こんにちは。


6月になり、学校・幼稚園などが、それぞれ最良の感染症予防対策をして再開されました。

今治城の近くにある吹揚小学校からも、児童たちの声が聞こえてきます。昨日は小学生6人が来てくれました。久しぶりに見る子供たちの姿に、職員たちも笑顔の対応です。






親も子も、不安と希望の入り混じったスタートかと思いますが、少しずつ新しい生活様式を取り入れて健やかに過ごせたらいいですね。



今治城に来てくれる子供たちのなかに、おとな顔負けの物知り博士がいます。どこから知識を仕入れたのか聞いてみると漫画だと教えてくれる子がいました。うちの学芸員が歴史好きになったのも、小学生のころに読んだ、マンガ『日本の歴史』がきっかけの一つだそうです。

子供向けに書かれたマンガの入門書は、初心者🔰の大人にとっても読みやすく、内容も充実したものが多いです。

先月の休館中に書棚を掃除したとき、漫画でお城を紹介している本を見つけました。





平成28年10月10日に株式会社主婦の友インフォスから発行された旅好き女子の城萌えバイブル』(萩原さちこ・著 トキ・画)です。


こちらの本は、日本全国たくさんあるお城の中から18を選んで紹介しています。なんと、そのなかの一つに今治城が選ばれていました。





この本は、それぞれ城の特徴を〈城メン〉によって表現し、
城の特長や見どころを城メグリスト・萩原さん監修による漫画で紹介しています。もちろん、萩原さんの文章による城の解説もあります。


今治城の〈城メン〉は、ガタイがよく足元は長靴。大漁旗柄のシャツを着て、腰にはタオルをさげています。今治城が日本三大海城であることや、タオルの産地だからですね。












参考までに、姫路城(別名・白鷺城)はこんなふうです。











さすが、現存する城郭建築として日本一の規模を誇る☆世界文化遺産☆姫路城。

お城に限らず、一日も早く行きたい場所に気軽に出かけられるときが来るといいですね。








2020年6月2日火曜日

今治城の新緑を、どうぞ。


こんにちは。


四国地方も五月末に梅雨入りしました。
今治城の木々の緑は、日増しに濃くなっています。

今日は快晴🌞真夏のような日差しです。
それぞれの緑色を写真でお楽しみください。