2018年1月31日水曜日

今治藩ゆかりの史跡④~大雄寺~

皆さん、こんにちは。

今治藩ゆかりの史跡を紹介するシリーズ、4回目に取り上げるのは松源院・法華寺と同じく今治城下の寺町にある大雄寺です。


大雄寺の山門

大雄寺は、文明年間(1469~1478)に大庵須益によって法界寺村(今治市玉川町)に建立された曹洞宗の寺院です。

関ヶ原合戦後、藤堂高虎が今治地域を治める事になると、高虎の養子である高吉が、実父・丹羽長秀(織田信長重臣)と実母の供養のため、大雄寺を法界寺村から寺町の現在地に移しました。

藤堂時代の大雄寺の様子はよくわかっていませんが、藤堂高吉の実の両親を弔うための寺院として、高吉から手厚い保護を受けていたのではないでしょうか。

大雄寺の境内には、藤堂家ゆかりのものとされる供養塔が今も残っています。


藤堂家ゆかりのものとされる供養塔

寛永12(1635)年、藤堂高吉が伊賀国名張(三重県名張市)に転封となると、入れ替わりに伊勢国長島(三重県桑名市)から徳川家康の甥にあたる松平定房(久松松平家)が3万石で今治に入ります。

これに伴い、大雄寺は藤堂氏の庇護から離れてしまいますが、今度は藩主・定房に従ってきた筆頭家老・久松長政(1564~1657)が亡くなった際、大雄寺に葬られた事から以後は家老・久松家(1000石)の菩提寺として位置付けられるようになりました。


今治藩で筆頭家老を務めた久松長政の墓(奥)。
空襲や芸予地震の影響で、損傷が目立ちますが、
筆頭家老の墓にふさわしい巨大な宝篋印塔です。

久松長政の巨大な墓の前には、7代当主久松清儀(1760~1812)の墓があります。


       
7代当主久松清儀の墓


        
この写真ではわかりづらいですが、側面には
「久松彦兵衛清儀」と刻まれています。

今治藩の筆頭家老を代々勤めた久松家ですが、5代当主長孝が不祥事を起こした事により一時的に失脚してしまいます。
孫の清儀の代になってから削られた石高も300石まで回復し、準家老的な立場までなんとか復権を果たしました。

残念ながら現在久松家の墓は初代の長政と7代の清儀の2人しか残されていませんが、同じ当主でも墓石の大きさの違いから久松家の栄枯盛衰がうかがえます。

なお、大雄寺は久松家だけではなく、上野家(150石)や深谷家(130石)といった給人と呼ばれた上級家臣の多くも菩提寺としており、各家の墓が今も立ち並んでいます。


                    今治城 伊津見

2018年1月10日水曜日

今治藩ゆかりの史跡③~法華寺~

皆さん、こんにちは。

昨年から始まりました今治藩にゆかりのある史跡を紹介していく本コーナーですが、今年も少しずつ更新していければ思っております。
よろしくお願い致します。

新年第1弾は、前回の松源院の記事に引き続き、今治藩主久松松平家とゆかりの深い寺院である法華寺を紹介したいと思います。

法華寺は、今治城下北側の寺町に立地する日蓮宗の寺院です。前回紹介した松源院からだと徒歩5分程のところにあります。


法華寺の本堂
法華寺は、元々今治市玉川町三反地にあった寺院で、江戸時代の寛文年間(1661年~1673年)に今治城下の新町に移転しましたが、火災による焼失を経て元禄8(1695)年に寺町の現在地に再度移転しています。

享保7(1722)年、3代藩主・松平定陳の娘で和泉国(大阪府)伯太藩主・渡辺家に嫁いでいた幾姫が亡くなると、今治藩から幾姫の位牌を安置する寺として指名され、現在に至るまで大事に守り続けています。

※ちなみに幾姫は江戸・麻布の日蓮宗妙善寺に葬られています。

以後、藩主の娘の位牌が安置されている寺として歴代藩主が参拝に訪れたり、供養料が寄進される等、法華寺は今治藩と深い関係を築きました。

歴代藩主やその家族の位牌は、元々今治の松源院や江戸の霊厳寺といった菩提寺に安置されていましたが、松源院の分は明治2(1869)年に廃寺となって別の寺に移された後に火災で焼失し、霊厳寺の分も大正11(1923)年の関東大震災で焼失してしまっています。

以上の理由で久松松平家の古い位牌はほとんど残っていないわけですが、法華寺にある幾姫の位牌はその中でも現存する数少ないものといえるでしょう。

大きさや華やかな装飾からも久松松平家の格式を偲ぶ事が出来る貴重な文化財です。

3代藩主松平定陳の娘の幾姫(法号:秋岸院殿妙窓日円大姉)
の位牌。大名家の娘の位牌らしく大振りで装飾も華やかです。
今治城 伊津見

2018年1月1日月曜日

今年のお正月

あけましておめでとうございます。

午前9時頃、天守最上階から瀬戸内海を望む


今治地方は、今年も元日は晴天に恵まれました。


来島海峡大橋がばっちり見えました。


そして今治城では、本日(1月1日)、特別イベントが行われていました。

3年前から毎年夏に今治城で行われて名物イベントになっている「海上自転車競走」が、お正月にエキシビジョンレースとして行われ、NHK総合テレビの「2018年新春!ニッポンふるさと“にぎわい”リレー!」で生中継されました!

海上自転車競走とは、ボートのついた自転車を水面に浮かべ、ペダルを漕いで進ませるレースです。
「海上」とあるのは、今治城の堀には瀬戸内海から海水が入ってきているので、堀を「海」に見立てているためです。

海(瀬戸内海)、自転車(しまなみ海道)、造船という、今治の特色3つを組み合わせ、今治のシンボルである今治城で実施するというナイスなイベントです。

色々なタイプの水上自転車の4チームが参加。

2チームずつ競走するトーナメント方式で、計3レース実施されました。

決勝レース前。スタート前の様子。

レースの様子。後続車を水しぶきで惑わしています(そんな作戦があるとは)。

でも最後は後続車が逆転して優勝!!

全国にアピールできたかな。

タレントのU字工事さん(栃木県出身)がリポーターで来場。レースにも参加されました。

(「ふるさと」を冠した番組なのに)「栃木じゃなくてゴメンねゴメンね~」

 
会場は大盛り上がり。
それにしても、全国放送の生中継はすごいですね。車や機材がたくさん集結し、「何かやっているぞ」感が満々。




城内の公園は、出店が軒を連ねて大賑わい。



城内にある吹揚神社への初詣に来て、今治城へも立ち寄ってくれています。






今年も、賑わいの中で一年の幕が開きました。


本年も今治城をよろしくお願いいたします。

今治城 藤本