3月13日、14日に今治市の学芸員の勉強会「にじの会」🌈が開催されました。
毎年恒例の研修会。
今年度は、紙資料(古文書など)の保存や修復がご専門の元興寺文化財研究所の金山正子先生にお越しいただきました。
1日目は、まず座学で紙資料の修復に関する基本的な考え方や事例を学び、
後半部分では各館の収蔵庫にあわせた環境管理の仕方について先生の意見をうかがったり、今治城と村上海賊ミュージアムの収蔵資料を実際に先生にみてもらいどのような修復ができるか、今後どのような環境で保管しておくべきかといったことを教えていただきしました。
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「修復できるでしょうか…?」 |
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経年劣化により継目が外れた古文書 |
2日目は実習。
練習用に穴をあけた和紙で「手繕い」の練習をしました。
虫害などにより古文書あいた穴を修復する際に使われる技法です。
和紙を穴の形にあわせてちぎったもの(ちぎるのが慣れるまでは難しい!)に小麦澱粉糊をぬり、
穴に貼り付けていきます。
また「投げ裏打ち」という修復技法も体験。
(「投げ裏打ち」の体験の様子は、今治城公式Xに動画あげています。3月14日のポスト)
そして最後に「紙縒り(こより)」づくり。
紙縒りは、細く切った和紙をひねってひも状にしたもの。
冊子体の古文書のとじ紐としてよく使われます。
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うまくできた? |
紙資料の保存や修復について多くの知識と気付きを得た研修会でした。
今後の各館収蔵品の保存・活用にしっかりと役立てていきます!
学芸員M
関連記事(前年度のにじの会研修会は刀剣)⇒ 今治城 スタッフブログ: 甲冑がよりかっこよく!