2019年7月2日火曜日

文化財レスキューを学びました(学芸員の仕事②)


こんにちは。


年が明けて、はや半年。一年の折り返し地点ですね。




左右が同じ高さになった日めくりカレンダー
(右側が1月~6月)



この春から新しい環境で過ごしてこられた大人も子供も、だいぶん慣れてこられたころかと思います。いかがお過ごしでしょうか。

集団登校する一年生のランドセルも体になじんできたように見えます。夏休みまでもう少し。

☂ムシムシするこの季節、体調を整えながら暑い夏に備えてください。




6月26日と27日の二日間
今治市鈍川収蔵庫(旧鈍川小学校)にて、災害時における博物館と職員の対応や文化財レスキュー〔被災した美術品を修復・保全する活動〕を学びました。



★印が鈍川収蔵庫です



教えてくださったのは、実際に東日本大震災や熊本地震などで被害を受けた文化財を助けた経験のある、山内利秋先生。
九州保健福祉大学薬学部で准教授をされておられる学芸員養成課程担当の先生です。


研修二日目は朝から雨風が激しく、臨場感あるワークショップとなりました。




鈍川収蔵庫(車中から撮影6月27日)


今回の研修は、今治市玉川近代美術館が災害にあったと想定し、玉川近代美術館の収蔵物を救出する方法をシュミレーション(模擬訓練)しました。

このⅮIG(災害図上訓練)シュミレーションは、もともと自衛隊で実施されていたものを民間が活用するようになったものだそうです。














参加者を4班にわけて、それぞれが今治市の地図を見ながら、先生の指示に従って意見を出し合い、考え、付箋に書いて紙に貼ります。
付箋に書く文字は、大きく読みやすく書くのがポイントです。

何度も先生の指示に従い話し合い付箋に書きこんでいるうちに、われわれが災害が起きる前にすべきことが少しずつわかってきました。


●災害発生時における連絡体制、関係機関に対する通報体制の確立
●安全性の確保された他の施設等への文化財の搬出と復旧のための支援体制の整備

そして、災害時に忘れてならないのが「心のケア」です。

被災者はもちろんのことですが、レスキューに向かう側の人々もムリのないようにせねばなりません。
特に被災後3ヶ月から、喪失感・今後への不安などから心のダメージが大きくなるそうです。

そのようなとき、地域の博物館などが地域社会の復興に役立てるように、地域コミュニティにある文化施設を守ることも大切なことのようです。



次は、資料を使ってワークショップ(応急的処置の実践)です。






まず、襖(ふすま)の下張りのはがし方を教えていただきました。









実際の襖(ふすま)を使って取り扱いを教えていただきました。







カビが肺に入らないようマスクをします。

高性能マスクは息苦しく暑いですが、自分の体を守るために装着しなければならないそうです。







搬出前の事前調査のシュミレーション(模擬訓練)をします。搬出中に破傷風菌が体に入らぬよう、ゴム手袋をします。






資料を搬出し、保管状況を確認し梱包する。







次は、水損の被害にあった写真の応急処置。

親指でやさしく水洗い。








筆で洗うこともあります。






水で洗った写真を乾燥します。
なにはともあれ乾燥するのが大切だそうです。





水没した絵画は





一刻も早く水から出し、乾かすことが大切だそうです。
キャンバスがゆがまないように、まわりに画鋲を打ちます。






二日にわたって教えていただいた文化財レスキューは、具体的でわかりやすい講義でした。

災害時は、お宝を狙うふとどき者が日本全国から集結するのだとか。興味深いこぼれ話や体験談をまじえて話してくださったので、専門知識のない者も、楽しく聴かせていただけました。


先生、遠くから教えに来てくださり、ありがとうございました。
万が一、災害が起きたときは、今回の教えを役立てたいと思います。


ですが、先生に教わったあれこれを役立てるような災害が起きないことを、心から祈るばかりです。


「こどもがはじめてであう にっぽん地図絵本」より


A


2019年6月29日土曜日

中学生の職場体験実習①(今治市立日吉中学校)


こんにちは。


みなさんは👽宇宙人がいると思われますか?

1947年(昭和22年)アメリカで空飛ぶ円盤が目撃されたことに由来して、6月24日はUFОの日なのだそうです。
アメリカ空軍が未確認飛行物体をUFО(Unidentified  Flying  Оbject)と名付けました。


映画でも「未知との遭遇」「ET」「エイリアン」「インデペンデンス・デイ」などなどで、UFОや宇宙人の存在の可能性を感じさせてくれました。


むかしむかし日本の石川県でも、夜な夜な円盤状の形をした光る物体が飛ぶのが目撃されたそうです。
それがシンバルのような形をした仏具「そうはちぼん」に似ていたため、地元では「そうはちぼん伝説」として民話になって伝わりました。




さて、先日の19日、河野美術館の中学生職場体験学習の一環として、今治市立日吉中学校の女子生徒さんが今治城へいらしてくださいました。













河野美術館の学芸員Hさんが展示物を丁寧に説明します。




















今治城は歴史だけじゃなく、自然科学も学べます。







お疲れさまでした。
これで、今治城での職場体験が終わりです。






また、いつでも遊びにいらしてくださいね。
ちなみに高校生以下の皆さんは、観覧料無料です。

お待ちしております。

A





2019年6月24日月曜日

今治城で保管している史料の整理はこんなふうです(学芸員の仕事①)


こんにちは。


夏至(二十四節気)をむかえました。

一年でもっとも高く太陽が昇り、もっとも昼が長く、夜が短くなるころです夜になるのが遅く、朝になるのが早いということですね。









この日の夜は電気を消して、ろうそくの灯りで過ごす「キャンドルナイト」を実施するところもあるそうです。



きょうは今治城で保管してる昔の史料整理のようすを紹介させてください。


まずは史料1点ごとに番号をふって写真を撮ります。








その史料を表に記録します。







今治城で保管している史料を整理するときは、このように史料に番号をふって➝写真を撮り➝表に記録します。


史料に数字をふる方法はいろいろあるのですが(紙に数字を書くとか)今回は整理する史料の大きさがまちまちなので、臨機応変に組み合わせて使えるよう、数字の札を作りました。

数字の札作りは、史料整理の第一段階(下準備)ですね。






紙に数字を印刷してハレパネに貼ります。






金属のさしをあてて、カッターで切ります。








取り出しやすいように、それぞれのサイズ別に収納します。







札は番号だけじゃなく、史料の種類(障子・額・襖・箱など)も作ります。








これらを使って史料の整理をします。


きょうは、ここまで。


また、新しい作業が始まりましたら紹介させてください。



A




2019年6月21日金曜日

藤堂高虎公の像


こんにちは。


真っ赤に色づいたさくらんぼが出回り始めました。
佐藤錦は収穫期が2週間であることから、赤い宝石ルビーと呼ばれているようです。



今年の佐藤錦


山形県はさくらんぼの生産が全国一位。さくらんぼ狩りを楽しめる鶴岡市の観光農園では、18日の地震の影響で、観光客のキャンセルが相次いでいるそうです。


震度6弱だった鶴岡市の観光農園の代表は、「地震の被害はないので、ぜひ遊びに来て、さくらんぼを味わって欲しい」と話されています。


今月5日にも県内陸部で🍒ひょうや強風による農業被害が6億円を超えたばかりなので、さくらんぼに関わる方々の苦悩は計り知れません。






今治城のとなりにある吹揚公園の「藤堂高虎公の像」をご覧になったことはありますでしょうか。



















高虎公は普段の着物姿で愛馬にまたがっておいでます。

一般的な武将の像は甲冑姿。






菊池武光公の像 高虎公の像と同じく中村晋也先生の作

なぜ、藤堂高虎公の像は甲冑姿ではないのでしょう?


吹揚公園にある高虎公の像は平成16年(2004年)に製作されました。『今治城築城・開町400年祭 藤堂高虎公の像建立記念 藤堂高虎公』(発行者は今治城築城・開町400年祭実行委員会 発行年は平成16年9月26日)に記されています。


まずは、作業工程のようすを。


基礎の台座を作るためミニチュアをつくり
高虎公のイメージを粘土で形にします。















木の仏像や

石の彫像は

こんなふうに作るのですが、


「せかいのひとびと」より



銅像は、粘土でつくった原型を樹脂に置き換え、鋳造用原型をつくります。








原型をいくつかに分割し鋳型をつくり

鋳型に青銅を一気に流し込みます。

表面を仕上げ溶接し一体化し

完成した青銅の像の表面を化学反応で着色します。









このようにして藤堂高虎公の銅像がつくられました。








作者の中村晋也先生(2007年文化勲章受章)は、固有名詞の人の作品を依頼されると、故人であれば、まず、お墓をお参りを。

なので、像の製作まえに高虎公のお墓参りをしたあと、さまざまな史料を調べ、ゆかりの土地を訪ね、自分自身が高虎公になりきって像をつくられたそうです。







高虎公が甲冑姿でないのは、一度も今治城から出陣していないから。
戦いの日々から離れた高虎公が、築城時に城内を見回る姿をイメージして、このような普段の着物姿なのだそうです。













高虎公のイメージは、中村先生がこの仕事を受けられたときにすでに出来上がっておられたそうです。







このような藤堂高虎公の像がある今治城へいらっしゃいませんか。お待ちしております。


A



2019年6月18日火曜日

2回目のギャラリートーク(半井梧菴企画展)


こんにちは。


店先に青梅や黄梅が並びはじめましたね。






ご自分で梅酒や梅ジュースや梅干を作る方はワクワクされていることでしょう。

「梅はその日の難逃れ」と言われるくらい、梅の実には体を元気にするパワーがたっぷり詰まっているそうです。



6月9日に2回目の半井梧菴(幕末に活躍した今治藩医)企画展ギャラリートークが開催されました。









前回5月12日のギャラリートークと同じく、今回も盛況でした。

学芸員の話を聴きに来てくださった皆さま、ありがとうございました。















半井梧菴の神官姿(石鎚神社)の写真を説明しています。







今回は二人の小学生の参加があり、学芸員も説明に力が入っていました。お一人は刀が好きだそうで、ギャラリートークのあと、天守に展示されている刀を熱心に見てくださったそうです。









外国人の観覧者もいらしてくださり、写真や絵に顔を近づけて興味深げなようすでした。英語の説明があれば、もっと理解を深めていただけかもしれません。














半井梧菴の企画展は6月23日㈰まで開催しております。

展示物をご覧になりますと幕末の伊予の姿が見えてきます。
どうぞ、お時間のある時に今治城へいらしてください。

お待ちしております。


A