2021年3月3日水曜日

今治城藩主・久松松平家の梅鉢紋


こんにちは。


今日の今治は冬に逆もどり、冷たい風が吹いています。
お城の梅は、先週のぽかぽか陽気🌞と雨⛆風で見頃を過ぎてしまいました。

奈良時代の花見といえば、桜ではなく梅の花。

『万葉集』(奈良時代に成立した日本最古の和歌集)には、梅の歌が萩に次いで二番目に多く詠まれています。












2月25日は学問の神様、菅原道真公の命日でした。

毎年、京都の北野天満宮九州の大宰府天満宮「梅花祭」(道真忌)が行われます。今治にも菅原道真公ゆかりの綱敷天満宮があり、命日前後の日曜日に「梅花祭」が行われます。
※今年は新型コロナウイルスの影響により、梅花祭」の一部の行事が開催中止に。神事は関係者のみで実施されました。



今治の綱敷天満宮でいただくお守りやお札の袋は梅鉢紋が印されており、境内にも梅鉢紋がたくさんあります。












家々に家紋があるように、それぞれの神社にも紋があり、これを神紋(しんもん)といいます。


神紋の成り立ちは、神社本庁の公式サイトによりますとhttps://www.jinjahoncho.or.jp/


①神社に縁深い植物や祭器具などを表したもの 今治城に隣接する吹揚神社の神紋は〈御幣〉(ごへい) が用いられています





➁伝説や伝承などに基ずくもの  菅原道真公をお祀りする神社では、道真公が生前、梅の花をこよなく愛でたという伝承により、梅鉢紋が神紋に用いられています。

➂家紋から転用されたもの ⇨ 徳川家康公をお祀りする東照宮では、徳川家の家紋である葵紋が神紋となっています。

他にも、さまざまな文様が使われています。

お気づきかと思いますが、今治城主・久松松平家の家紋と菅原道真公ゆかりの神社の神紋は同じ梅鉢紋です。





今治城の御城印にも使っています。






※背景の藤堂蔦は、今治城を築城した藤堂高虎公の家紋です。

天守の展示物にも梅鉢紋があります。










久松松平家の家紋は、なぜ梅鉢紋なのでしょう。

今治城見聞録(今治城築城・開町400年祭実行委員会 2004年1月1日発行)の59ページにある久松松平家の家系図をご覧ください。久松松平家の先祖は、菅原道真なのです。





ちなみに、今治初代藩主・松平定房と松山初代藩主・松平定行は兄弟にあたります。

なので松山城の御城印にも、梅鉢紋が使われているのですね。




家紋にかぎらず、衣服やお皿や食品に使われている日本独自の文様を気にかけてみるのも楽しいかもしれません。


『日本の文様 解剖図鑑』筧菜奈子著より