2020年6月22日月曜日

藤堂高虎の旗指物〔三つ丸餅〕


こんにちは。


今日もまた、観覧者からの質問がきっかけで天守の展示物を改めて知ることができたので、お伝えさせてください。


今回のご質問は、「高虎さんの旗はどこにありますか?」です。武士たちが戦う時に背中や陣地などではためかせている、あの旗のことですね。


『いくさ場の光景-大阪城天守閣収蔵戦国合戦図屏風展-』
2009年3月20日発行・大阪城天守閣編集


残念ながら、高虎公が使用した旗は今治城にありません。
高虎の旗印「三つ丸餅」は、天守3階に展示されている藤堂高虎の肖像画の背景に描かれています。










今治城が発行している『高虎と高吉』の2ページに掲載されているのが、これです。⇩






高虎公の旗印の由来は、2003年11月15日メイドインしまなみ事務所発行・土井中照氏著『今治城の謎』によりますと








若き高虎が、納得のいく主君を求めて放浪生活を送っていたとき戦国時代の常識では、主君を替えることは当たり前のことだったそうです。
持ち合わせがないのにもかかわらず、空腹のあまり三河宿(豊橋市)にあった餅屋で餅をたらふく食べました。主人にお金を持っていないことを正直に話しましたら、・・・・路銀(旅費)を与えてもらったそうです。

後に、22万石の大名に出世した高虎がこの餅屋の前を通ったとき、主人に金銀を手渡し、あの時の恩に感謝したと伝えられています。

高虎の旗指物は、紺色に白い丸〇が三つ縦にならんだ「三つ丸餅」。白餅をならべて〔城持ち〕になれるように、そして若い頃のひもじさを忘れないように、との思いがあったのかもしれません。




『今治城の謎』72ページの挿絵より


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