2022年3月24日木曜日

企画展がはじまりました ~「天守のおとなりさん 吹揚神社の今昔」~

こんにちは。


全国的に気温が上がらない日が続いていましたが、今治城では真っ白なユキヤナギが見頃を迎え、いよいよ春がくるのかなと期待がふくらみます。




そして山里櫓では、企画展「天守のおとなりさん 吹揚神社(ふきあげじんじゃ)の今昔(会期:3月19日~5月22日)」がはじまりました!



本企画展では、


「吹揚神社はいつからあるの?」

「なぜ天守の横に神社が?」など。


今治城天守の「おとなり」に鎮座する吹揚神社にまつわる疑問について、地域に残る古文書や神社境内の狛犬などの石造物から迫ります。


展示資料は、


・今治藩士による記録 年中行事

・伝沖冠岳 今治旧城図

・藤堂高虎肖像画     ほか


また、「吹揚神社 石造物探し」マップを企画展会場で配布しています。


企画展の観覧後に、境内を歩いて石造物を探してみてくださいね( ˘ω˘)♡


(撮影:狛犬のしっぽが好きな学芸員M)


※企画展入場の際には、天守1階にて入場券(天守・櫓共通券)をお求めください。


・2022年4月3日追記

今治CATVさんに企画展をご紹介いただきました。

YouTubeにてご覧いただけます。



M

2022年2月3日木曜日

鬼ぐいって何?-節分の風習ー

 こんにちは。


今日は2月3日、節分の日ですね。





みなさんは、今治の節分に欠かせないアイテム「鬼ぐい」をご存知ですか?


実は県外出身の私、つい1週間前に、幕末の今治での節分を紹介した古文書の記事のなかで、「鬼グイ」に出会いました。



「鬼グイ(方言ニシテ多羅)ト塩漬鰯ヲ小サク切リテ、豆柴(方言木葉ニシテ火ニ入ルレハハリハリ云フ)ニ包ミ……」(注1)



「鬼グイ」?と、塩漬けの鰯を小さく切って「豆柴」🐶??に包んで……

な、なんのことか分からん_( _´ω`)_モウダメ


鬼グイとは??豆柴とは?頭にたくさんのはてなマークが浮かびます。


しばらくもんもんとしていましたが、ふとスタッフAに「鬼グイって何なんですかねえ…」ともらしたところ、


「へ?スーパーに売ってるよ?節分コーナーに」と驚きの返しが( ゚Д゚)!!!



それを聞いて、さっそく走りました!スーパーの節分コーナー。


ありました!節分豆にならんで「鬼ぐい 本体価格98円」。



そして買ってきた鬼ぐいがコチラ





スタッフAいわく、今治の節分には欠かせないもので、節分前から魔除けとして玄関近くにつけておくそうです。


ちなみに、下の部分がタラの幹で通称「鬼ぐい」、上の部分がトベラの葉で通称「豆しば」といいますが、

スーパーでは、タラの幹にトベラの葉を挟んだもの=「鬼ぐい」として売られていました。


鬼ぐいには「鰯」も必須アイテムとのこと。


ということで、スタッフAに教えてもらいながら鰯をつけて完成!!



わ、輪ゴムがイワシにめり込んでるううう




さて、これでやっと古文書の話が理解できそうです(*'▽')💕

幕末の今治での節分を見てみましょう。


「鬼グイ(方言ニシテ多羅)ト塩漬鰯ヲ小サク切リテ、豆柴(方言木葉ニシテ火ニ入ルレハハリハリ云フ)ニ包ミ、竹ニ挟ミテ戸口或ハ窓ノ口ニ至ルマテ、指シ置クモノ也」


①鬼グイ(タラの木)と塩漬けの鰯を小さく切ったものを豆柴(トベラの葉)に包み、

②竹に挟み、

③戸口・窓に指しておく。


私がスーパーで買ってきた「鬼ぐい」はタラの幹にトベラの葉のセットを指したものでしたが、古文書に記された「鬼グイ」はタラ(の幹?)の意味で使われています。


そして、タラと鰯を切ったものをトベラの葉に包む。


この方法は、スタッフA直伝の「鬼ぐい」とは異なっていますね。


現在の今治市内でも、私が購入したような「鬼ぐい」(タラの幹とトベラの葉)に、鰯の頭だけくくりつける派、鰯1匹をくくりつける派、はたまた鰯はつけない派など、他にも各家庭でさまざまな鬼ぐいのかたちがあるようです。

学芸員M


(注1)「節分」(『今治郷土史 国府叢書 資料編 近世2(第四巻)』1989年、今治郷土史編さん委員会編、「国府叢書 巻二十三」p1022所収)。

「国府叢書」全65巻は、庄屋加藤家が代々残した今治藩政の数々の史料を基に編集(編纂)したもので、今治市屈指の郷土史資料集です。その編集は、最後の国分村庄屋であった加藤友太郎氏によるものです。藩政の実態や村の生活が解説されています。

今治市立図書館公式ホームページでは、「国府叢書」の原本の高精細画像および翻刻を閲覧することができます。 ⇒ https://trc-adeac.trc.co.jp/WJ11C0/WJJS02U/3820215110



2022年1月21日金曜日

昨年 2021(令和3)年 1月~12月の今治城

こんにちは。


大寒のころとなりました。





一年で最も寒い季節がやって来ましたね。温暖な今治でも朝の冷え込みは厳しく、通勤車の外気温度計は-2℃でした。
節分まではこの冷え込みが続くので、コロナはもちろんのことインフルエンザや風邪など引かないよう、くれぐれもお気をつけください。


さて、本来ならば一年を振り返るのはその年の12月なのですが、昨年末は叶いませんでしたので、年をまたいだこの時期に2021年の今治城を振り返らせてください。


今治城も皆さまと同じく、コロナ禍の影響をうけて働き方や経済活動・人との関わり方や生活様式など、たくさんの変化がありました。


一番の変化は、4月に新メンバー【自然科学館のM先生と新人学芸員 M】が赴任したことでしょうか。


自然科学館館長のM先生


新人学芸員 M

M先生も新人学芸員Mも、新しい展示や研究に意欲的に取り組みながら、観覧者はもちろんのこと、地元今治の方々に〉今治城を知っていただき、来て楽しんでいただこうと創意工夫をしています。


★ 4月21日 聖火が今治城に。












4/22~5/31まで、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため臨時休館しました。

天守入口と窓を閉め切り、観覧者がいない静かな城での仕事は厳しいものがありましたが、今できる事、今しかできないことをしよう‼と気を取り直して取り組んだのが今治城公式ツイッター。新人学芸員Mが頑張り、7月19日に開設できました。

おかげさまで、たくさんの方々に応援していただき、現在は1074人ものフォロワーさんがいらっしゃいます。


★7月末は夏休み企画として〈新型コロナウイルスの感染拡大が収まり、コロナ禍でうまれた差別や偏見がなくなりますように〉と、職員Mと新人学芸員Mが心を込めてシトラスリボン2000個を編みました。


入館した子供たちや学生さんには観覧券と一緒に手渡しし、一般の観覧者はご自由にお持ちいただきました。


★ 8/14~9/12まで、またもや新型コロナウイルスの感染拡大防止のため臨時休館。この間に、スタッフたちのコロナワクチン接種が終了しました。その後再開してからも、できる限りのコロナ感染予防対策をしながら観覧者をお迎えしています。



★11月12日からは「ドラゴンクエストウォーク」の「この城わが旅!日本100名城キャンペーン」が始まり、1月31日㈪まで実施中です。




このころ、コロナ感染者数が落ち着き始めたようにみえ、収束に向かうのかも…と、かすかな希望を感じたのを思い出します。


★コロナ禍になってからツアー団体客は激減しましたが、修学旅行の児童や学生さんたちが、たくさん来城するようになりました。

日本の歴史が学べ、しっかりとコロナ感染予防対策をしており、換気ができていて密にならない、からでしょうか。








★ 11月27日 今治城がクラシックジャパンラリーのチェックポイントになり、たくさんのクラシックカーが集まりました。ほんの一部を紹介します。









ツイッターには鉄御門をくぐって走るクラシックカーの動画を掲載しています。

本日〠届いたクラシックジャパンラリー『終了報告書』にも今治城での様子が掲載されていました。



★ たくさんの書籍に今治城(御城印)が掲載されました。







今治城が『歴史絶景』日本の絶景ベストセレクトの表紙になったときは、スタッフ一同、感謝感激でした。






昨年も一昨年に続いてコロナに振り回され、なにがなんだかわからないまま一年が過ぎたように感じていましたが…

こうして振り返らせていただくと、ある意味、実のある年だったかもしれません。丑年にふさわしく、ゆっくりと少しずつ前に進めたようにおもいます。




今年は、昨年に蒔いた種が🌱芽吹きますように。






2022年1月8日土曜日

新年のご挨拶


明けましておめでとうございます。

新しい年を迎えて一週間が過ぎました。
みなさま、いかがお過ごしですか?




仕事や学校も始まり、普段の暮らしに戻られたでしょうか。

地方によっては降り続く大雪で⛄大変な思いをされている方もいらっしゃるかと。温暖な四国の者には想像できませんが、転ばないように気をつけてくださいね。



さて、元旦から開館していた今治城はようやく静けさを取り戻し、職員たちは、それぞれの仕事を始めています。

今年のお正月は久しぶりの大賑わいで、三が日1596人もの方々が来城されました。








今治城では元旦からお年玉企画として、1000枚限定バリィさんお正月バージョン「しおり」入館者に無料配付しました。

図柄は、天守の上に初日の出。バリィさんは藤堂高虎公のうさ耳カブトをかぶり、手には破魔矢(縁起を祝う矢)を持っています。

しおりの裏には、職員一同のおもいを書かせていただきました。今年こそは、穏やかなよい年であることを心から願っています。






もうひとつ、新年をお祝いして🎍迎春 御城印を枚数限定で作りました。(税込・三百円)

今治城は日本三大水城ですので、家紋を海水の藍色に。

背景は、平安で幸せな暮らしが未来永劫続きますように…との願いが込められた吉兆柄の青海波(せいがいは)を。

右下には堀で泳ぐボラを金色で押しました。










御城印の日付は、館長が心をこめて書いています。






おかげさまで、バリィさんお正月バージョン「しおり」は二日に配り終え、入館した方々に喜んでいただけました。

迎春「御城印」は、このように天守入口の観覧券売場にて、いつもの御城印と並べて販売しています。






長々と続いているコロナ禍も、油断せずに今までどおりの感染予防を続ければ落ち着くのではないかと感じられた昨年12月、天守入口に職員Mが編んだシトラスリボンを置きました。【昨年夏は(18歳未満と大学生)の入館者にお配りしました。】








今はもう、何度目の「まん延防止」かわからないくらいコロナ禍が続いていますが、

昔から『明けない夜はない』『上がらない雨はない』とも言われています。

今治城職員一同、マスクなしで観覧者のみなさまにお会いできるのを楽しみに、今できること今しかできないことを粛々としてまいります。


今年もよろしくお願いいたします。




2021年12月29日水曜日

年末のご挨拶

今治城は、昨日で年内の開館を終えました。

今日から3日間(12月29日~31日)は年末恒例の休館日になっています。ご注意ください。


今年も一年間、大変お世話になりました。

来年もよろしくお願いいたします。

元旦から開館です!

プレゼント企画や、新商品(新「御城印」)も用意しています。

※点数限定あり。ご注意ください。

詳しくは今治城公式Twitterをチェック


それでは、よいお年をお迎えください!!


2021年12月14日火曜日

見どころ紹介 企画展「お侍さん」④ 仕事のために持っていたモノ

こんにちは。

 

現在開催中の企画展「江戸時代 のぞいてみよう! お侍さんの仕事」は、今週末の1219日(日)が最終日です。

(´;ω;`)ウッ…

見どころ紹介は、今回が最終回になります。

 

※前回までの見どころ紹介は以下をクリックしてください。

☞ 第1回 2つの甲冑(よろい)

☞ 第2回 武士の正装 裃(かみしも)

☞ 第3回 江戸での仕事場と住居

 

今回は、お侍さん(武士)が働いている時に、実際に持っていたモノ、使用していたモノをご紹介します。




武士は、本来は軍事を担当する身分の人たちでした。

しかし江戸時代では、社会の統治も武士が担当し、結果的に戦いがほとんど無い時代だったので、武士の仕事は今の公務員のような行政職が主になりました。

 

そんな仕事内容をほうふつとさせるものを展示しています。

 

参勤交代で、将軍のおひざ元の江戸(現在の東京)に滞在していた武士が持っていたメモ帳です。



資料名:政務関係留帳


大きさは、縦6.5㎝、横16.5㎝でとても小さいです。

常に携帯し、メモしたり、内容を確認したりしていたのでしょうか。

「江戸城に藩主(自分の殿様)が出仕する時に足袋を着用させてほしいお願いをした」など、当時のしきたりがうかがえる興味深い内容が書かれています。

 

 

また、当時の武士の役職の一つに、記録を取ったり文書の下書きをする「書役(かきやく)」や、清書をする「右筆(ゆうひつ)」がありました。

 

右筆の人たちが使っていた参考書の一つも展示しています。


資料名:武鑑


これは「武鑑(ぶかん)」といって、大名や幕府の役人の名鑑です。

仕事上、必要な情報だったのでしょう。

 

そして、珍しいモノが今治藩士の家に伝わっていました。

 

資料名:徳川家茂御内書

江戸幕府の将軍だった第14代:徳川家茂(とくがわ いえもち)の文書の原本です。

ホンモノですΣ(・□・;)

立派な大きな紙に書かれています。

 

なぜ、一地方の普通の武士の家に、全国の武士の頂点に立つ将軍の文書が伝わったのでしょうか?

 

この文書は、将軍家茂から当時の今治藩主だった松平勝道(9代藩主)に宛てて、献上された衣服の返礼を述べたものです。

そして、この文書を伝えた藩士は、当時、今治藩で「書役」の職を勤めていました。

 

おそらくこの文書は、幕府と今治藩との間でやり取りされた公式のものとして取り扱われ、「書役」の一員だった藩士が、仕事上の都合で手元に置いていて、そのまま、その藩士の家に保管されたままになったのかもしれません。

 

「書役」という役職だった故に起こった、面白い伝来の仕方だと思われます。


以上、全4回にわたって企画展「江戸時代 のぞいてみよう! お侍さんの仕事」の見どころを紹介してきました。

関心を持っていただけましたら幸いです。

 


会期は残り僅かですが、ぜひご来城、ご観覧ください。

よろしくお願いいたします。

 

学芸員T.F

2021年12月1日水曜日

「池田家文書目録」公開によせて

この度、今治城ホームページの「おしらせ」欄にて、今治城の収蔵資料の一部である「池田家文書」の目録を公開しました。

みなさまにご活用いただけますと幸いです。


【お知らせ】池田家文書目録を公開しました。


 今治城天守内で開催中の令和3年度 企画展「新収蔵品展―令和2年度収蔵資料―」の開催にあたって、次のようなメッセージを発信しました。


“博物館”としての今治城では、今治城の紹介とともに、地元地域のものを中心として、歴史や文化、自然や美術に至るまで、幅広い分野の資料=文化財を収集し、守り、伝えています。


 今治城は、今治市域の歴史や文化を伝える地域博物館としての役割をになっており、これまで地域にまつわる数多くの資料を収集してきました。

 収集した資料は、展示や図録の発行などを通してみなさまに紹介しています。しかし、これらの方法で紹介できる収蔵品の数には限界があります。


 そこで今回、これまでの事業では紹介しきれていなかった収蔵品の情報公開のため、目録を公開することとなりました。


 目録公開の第一弾は、いち早く公開の準備を整えることのできた「池田家文書目録」です。池田家文書は、旧今治藩士池田家に伝来した古文書・記録類188点(162件)で、知行宛行状などの近世文書のほか、書簡や地券を中心とした明治期の文書も含まれています。


延享元年(1744)9月27日付「松平定郷知行宛行状」(池田家文書160)
今治藩5代藩主松平定郷が家臣の池田善右衛門に宛てた知行宛行状。父弥次右衛門の家督相続として知行(給料)50石を与える旨が記されており、日付の下に定郷の名前と花押(サイン)が据えられている。


 「池田家文書目録」をはじめの一歩として、今後は全ての所蔵品目録の公開を目指していきます。また、今回はホームページの「おしらせ」欄を間借りしての公開ですが、利用者のみなさんにとってより使いやすくするため、専用ページの開設や外部データベースの活用も検討しています。


 なお、池田家文書の一部は、企画展「江戸時代 のぞいてみよう! お侍さんの仕事」(会期:2021年10月2日~12月19日)で展示しています。ぜひご来館ください。

企画展のご案内→ 企画展「江戸時代 のぞいてみよう! お侍さんの仕事」


学芸員M🐥